赤ちゃん研究

自由な発想と抑制

2011.08.31

  朝、幼児組のお部屋に行くと、大勢の子ども達が、それぞれ色々な遊びをしています。ブロックをしている子、積み木をしている子、お絵かきをしている子、廃材を使って制作をしている子。どの子も思い思いに創造力を膨らませ、真剣に遊んでいます。また、一つの物が完成すると更に工夫を加えながら、新たの物に発展し、自由に発想をめぐらせながら楽しく遊んでいます。日々創造力の世界で生活をしているのですね。しかし、気が付くとさっきまで遊んでいた子達はホールに集まり始めました。十分満たされた子達はしっかりと自分で考えて、朝の会に間に合うようにお片付けをしているのです。しかし、まだまだ、先の見通しが立てられない子ども達は、朝の会が始まる寸前までお片付けに四苦八苦・・・!どうしたら、次の活動にスムーズに行ける力が育つのでしょうか?小学校に行くまでには、たっぷり遊んで、しっかりとお片付けが身についてくれると良いですね。
(おたよりの続き)
  私が「赤ちゃんは、すごいなあ!」と思うのは、たぶん、大人になって忘れてしまっている人間の能力に気がつかされるからかもしれません。それは、赤ちゃんと言わず、子どもの言葉、行動、発想に大人が驚くのは、その能力というよりも、大人では考えられないような自由さがあるからでしょう。しかし、この自由さは、時として大人にとって煩わしいものであったり、面倒くさいものであったり、大人の社会を邪魔するものであったりすることがあります。また、その子どもの発想の多くは、簡単に一蹴されたり、無視されたり、制止されたり、怒られたりして日の目を見ません。
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赤ちゃんの脳は、想像することと学習することに特化するために、大人の脳よりたくさんの神経回路があるのではないかとも言われています。そのために、大人より可塑性(かそせい)や柔軟性がはるかに高く、変化をよく受け入れます。それは、新しい社会にいち早く順応して、その中で生きていくことの力をつけていく必要があるからでしょう。
  人は成長する中で、脳の神経細胞のつながりだけでなく、それ自体の性質も巧みに変化をしていることがわかってきました。そのひとつは、神経伝達物質に対する反応の変化です。最初のころは「興奮」と呼ばれる反応を起こしますが、成長と共に「抑制」と呼ばれる反応を示すようになると言います。正反対の反応になるのです。人は、興奮して、はしゃぎますが、その後でその行動を自ら抑える必要があります。大人では、それは理性とも呼ばれることがありますが、小さな子どもはまだそれを意識することはできません。ですから、当然脳の中で、興奮を抑える機能があるはずです。それが、「抑制」と呼ばれる反応で、これにより、神経細胞に余計な興奮が起きなくなり、必要以上に情報が広がるのを防いでいると言われています   保育園では毎日の生活の中で「興奮」と「抑制」の訓練をしているのかもしれませんね。生きるために必要な力が少しずつ付いてきているのです。いつまでも自由な発想と創造性を持っていてもらいたいと思うと同時に、自分で「やめよう」とする抑制する力を持って友達との関わりを学んでもらいたいと思います。
次は9月10日頃載せます(^ ^)v

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