赤ちゃん研究

兄弟の役割 

2012.04.15

  子どもは、生まれながら、いろいろなことができるように備わっていますが、それが発現するためには環境が影響していきます。その環境からの影響は、ひとつということはないのですが、特に、「心の理論」に兄弟が影響するかということの研究がされています。それは、子どもの育ちに異年齢児の存在がどのような作用をするかということです。このことについて、日本でも有名になったのが、ロバート・フルガムの『人生に必要な知恵は、すべて幼稚園の砂場で学んだ』(河出書房)という本かもしれません。それによると、著者であるフルガムは、「自分が人格形成をしていく過程で、幼稚園のときの仲間との葛藤、けんかをしたりとか、あるいは場合によっては助け合ったりとか、あるいは自分が約束を守らないと非常に手痛い目に会うというようなことから、多くのことを学んだ」と言っています。人生に必要な知恵は、高等教育で学んだわけではなく、幼稚園の砂場にあると言ったのは、砂に重要な意味があるのではなく、異年齢の子ども集団に意味があるということなのです。
 人間というものは、他者を通して自分を理解するわけですから、自分を評価する他者が多様であればあるほど、自分というものが見えてきます。母親からだけの評価では、社会に出てから、他者から違う評価を受けたときに、心に打撃を受けてしまい、自分に閉じこもってしまうことになりかねません。異年齢の中での育ちは重要なようです。
 兄弟げんかや異年齢の関わりは、今の時代なかなかやろうと思っていても出来ることではありません。毎日のようにやっている家はうらやましいですね。きっと、他の子よりも人との関わりが上手になるのでしょうね(^^)V

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