「おせっかいな環境」
チンパンジーもヒトも 新生児期にはある程度の模倣能力を持っているのに、ヒトだけが模倣能力をぐんと発達させていきます。それは、周囲の大人が無意識に子どもに模倣させるような育て方をしているからだと明和政子さんは言います。 それは、ヒトの大人、特にお母さんは、おせっ かいと言っていいくらい積極的に子どもに関わります。子どもの気持ちを勝手に解釈して声を掛け、「一緒にやってみようね」「こうするのよ」と同じ
チンパンジーもヒトも 新生児期にはある程度の模倣能力を持っているのに、ヒトだけが模倣能力をぐんと発達させていきます。それは、周囲の大人が無意識に子どもに模倣させるような育て方をしているからだと明和政子さんは言います。 それは、ヒトの大人、特にお母さんは、おせっ かいと言っていいくらい積極的に子どもに関わります。子どもの気持ちを勝手に解釈して声を掛け、「一緒にやってみようね」「こうするのよ」と同じ
2月に行われたクラスの移行に伴い、ぞう組の子ども達は、今までの異年齢のクラスではなく、小学校での生活を意識した同年齢での生活を始めました。これは、小学校に行ってからの生活に少しずつ近ずけていくためで、今までは出せなかったより高度な遊びやゲームも楽しめるようにしています。1人で楽しむのではなく、数人で行うゲームを通して、人との関わりを増やしていきます。また、文字や数字にもたくさんふれる機会が出
この模倣という行為は、現在の研究では、われわれヒトの祖先がチンパンジーの祖先と枝分かれした後、およそ500万年前に比較的に獲得してきた、ことばに匹敵するほど重要な能力であるということが分かっています。 ではなぜヒトは身ぶりを模倣できるようになったのでしょうか。ヒトは、社会を形成し、そこで助け合い、協力して生きてきました。当然、そのためには他者とのコミュニケーションが大切になってきます。その際、言葉
最近、あひる組の子ども達がすごいっていう事をご存知ですか?何がすごいかと言うと、関わり方がすごいんです。例えば、あひる組の子どもがおもちゃで遊んでいる時に、突然ひよこ組の子どもがやって来ておもちゃを持って行ってしまうという事が起きます。通常このような時は、1歳頃の発達では、自分の物を取られまいと、噛みつきやひっかきをしてこれを守ろうとします。しかし、最近よく見かけるのは、仮におもちゃを取られても
ベビーカーは、近代的社会で乳幼児を一緒に連れて移動する際に、もっとも一般的に使われる道具の一つですが、ベビーカーでは、押し手の大人と乳幼児のスキンシップはほとんどないに等しいということをジャレド氏はこう指摘します。「特に、ベビーカーによっては、乳幼児はあお向けの水平に近い姿勢で乗せられる時には、押し手の大人に顔が向くように、進行方向とは逆の方向に顔を向けて寝かされる。つまり、乳幼児の視界が押し
最近、ベビー用品を取り扱うお店に行くと、様々な種類のおんぶ紐・抱っこ紐があります。流行りのエルゴのような対面式のものもあれば、海外でよく見る前向きの抱っこ紐のタイプのもの、そして、伝統的なおんぶ紐やスリングタイプのものなどです。もちろん2WAY3WAYと言った多様なタイプのものも多いですが、育児雑誌にもさまざまな物が取り上げられて、どんどん新しいものが出回ってくるので、どれを使ってよいのか分か
発達は、知識と違って、早くすればいいというものではなく、人生においてその時期その時期が大切であり、何もないところに何かをつけていくということではなく、遺伝子に組み込まれた発達の要素が、その時期の表出してくるものを、より確実に良い環境を通してしていくものです。ということで、それが現れる時期に、その発達を促す環境を用意する必要があります。 子どもたちは、人生において、様々な人と出会い、人々の中で学
最近、あひる組のお部屋をのぞくと、たくさんのしゃべり声が聞こえてきます。その中で、「かして」「いいよ」「あとで」と言うようなやり取りも少しずつ耳にするようになってきました。保育士との関わりの中で「かして」「いいよ」と関わっているうちに関わり方を覚えてきたのです。そして、遊びがだんだんと発展してくると、今までは大人と遊んでいた子や一人で遊んでいた子も、周りの子の存在が気になって関わりを持とうとし
先日の「視線追従行動」を、人はなぜするのでしょう?千住淳さんは「社会脳の発達」の中で、こう言っています。「ひとつの重要な機能として考えられているのは、社会的学習です。それは新しいものの名前を学ぶためには、大人の口から発せられる言葉(名前)と、名前が指し示すものを結びつける必要があります。しかし、環境の中にはさまざまなものがあるため、言葉がどれを指すのかを判断するためには、さまざまな手掛かりが必
0・1歳児の新入園児の子ども達が、園生活にも慣れ、楽しく遊ぶ姿が多く見られるようになってきました。そこで時たま私も保育室に入り、一緒に遊ぶ時があります。その時いつも感じるのは、子ども達の熱い視線です。珍しい人が入ってきたせいか、あちらこちらから視線を感じます。そして、その一つ一つの視線に微笑みかけると、こわばっていた表情が一瞬にして笑顔に変わります。どうも、子ども達の中では、この大柄な生き物