教育

「教科書の理科からの脱皮」

2015.06.30

幼児組では昨年より「サイエンス」という時間があります。月に1度か2度、朝のお集まりの前のほんの10分ぐらいの時間を使って、理科や科学のお話しや実験をする時間として設けています。
今年4月に行った実験ではペットボトルに入浴剤を入れて、ロケットを飛ばす実験を行いました。子ども達は「このロケットが本当に飛ぶのか」と期待と不安でその時を待ちます。そして、カウントダウン!3・2・1「発射」の合図と共にロケットは見事打ちあがりました。距離にしたら2階か3階までロケットが打ち上がり、子ども達は大喜びでした。
子ども達はいつも、色々な事に興味や関心を持っています。また、新たな事を見つけると、事細かく研究をしていきます。この「好奇心」こそが、過去の偉大な発明を生み出しました。この「好奇心」がなければ、今の我々の快適な暮らしはありません。飛行機や電気、PCといった物は、全て、この「好奇心」から生まれたのです。
子ども達の無限の「好奇心」がこれからも湧き上がってくるような取り組みを今後も考えていきたいと思っています。

 

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(おたよりの続き)
アメリカで行われているミニスコープを使った取り組みは、科学に対する子どもたちの関心を高め、興味を喚起する「理科離れ」対策の効果的なプログラムとして、民間団体、州政府までがその成果に期待を寄せています。この理科教育イベントを全米で支援しているのが、なんと日立ハイテクの米現地法人である日立ハイテクノロジーズアメリカ会社なのです。この会社は「ミニスコープ」のプロモーションを展開しながら、全米の高等教育機関を訪問し、「ミニスコープ」を貸し出すなど、独自に理科教育の支援活動を継続しています。こうした地道な活動により、「ミニスコープ」は「理科離れ」対策に最適なツールとして、全米で認識されるようになったのです。
ウィスコンシン大学マディソン校のサイエンス・キャンプには、24名の子どもたちが参加しました。同キャンプの理科教室プログラムでは、ホウ珪酸塩といった試料を硝酸亜鉛などの溶液に浸した時、試料がどのように変化するかを「ミニスコープ」で観察するという実験でした。その実験を行った子どもの様子は、このようなことだったようです。「劇薬を扱うため、白衣と手袋、メガネの着用を義務づけられた子どもたちは、最初、緊張した面持ちだった。しかし、実験と観察が進むに連れ、その瞳はキラキラと輝きはじめ、パソコンのディスプレイに映しだされた画像を食い入るように見ていた。キャンプに参加したとある女の子は“こんな形が、世の中にあるなんてすごい”とミクロの世界の造形美に感動する。地元の野球チームに所属する男の子は“こんな装置があるなんて知らなかったよ”と“ミニスコープ”に興味津々だった。」
子どもたちは、実際に触ったり、実際に観察したり、実験したりすることが好きなよぅです。顕微鏡を与えると、「こんどは自分の野球グローブをこの顕微鏡で見たい」という男の子が現れるようです。探究心が促されるのです。また、「ミニスコープ」を使った写真コンテストを実施したりもしているようです。ちなみに、最優秀賞に選ばれた受賞作品は、発泡スチロール製カップの表面を拡大したものでした。
この「ミニスコープ」と呼ばれる顕微鏡は、ミクロの世界を体験させてくれる重要なツールで、この卓上顕微鏡Miniscope『TM-1000』は、電子顕微鏡にもかかわらずデスクトップに置けるコンパクトな設計、1万倍という光学顕微鏡をはるかに凌ぐ観察倍率、簡単なレクチャーで子どもでも使いこなせる操作性が実に画期的でした。「子どもたちはこうした先端技術にもっと触れる必要があると感じた」との声が多いようです。
「ミニスコープ」を覗いてミクロの世界の魅力に引き込まれてしまった子どもは、教科書の理科から離れ、教室を飛び出し、その先のワクワクするような世界へ連れ出されるのです。

 

EUの理科離れの取り組みについて7月15日ごろ載せます

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