あけましておめでとうございます。今年も、皆さんの子育てが楽しく行え、子ども達が元気に成育しますことを祈念して、このブログを書いていこうと思っています。
近年、少子化、核家族化の弊害として出てきている問題として、「過干渉」の問題があります。これは昔から言われる「甘やかしすぎたらダメだよ」と同じ意味だと思われる人もいるかと思いますが、実はもっと深刻な問題が含まれています。それは、脳の神経細胞と深い関係があります。
昔は脳や神経細胞は、生まれてから徐々に大きくなり、大人になるにつれて色々なものを覚えていくとされていました。しかし、最近の脳科学や神経科学の研究では、生後、数ヶ月後に神経細胞は最大になり、年を重ねていくごとに、それら多くの細胞は淘汰され、少なくなっていくと言われているのです。
つまり、「過干渉」により、それら多くの細胞は必要ないものとみなされなくなってしまう可能性があるというのです。また、無理な関わりによっても、健全な発育にはつながらないとも言われています。赤ちゃんに対する親の希望や想いは大切ですが、赤ちゃん本人の将来のことを考えると、丁寧な関わりと同時に、赤ちゃん本人が自ら育とうとする力を信じて、その行動を暖かく見守っていくことがとても必要なようですね。
(おたよりの続き)
20世紀後半に発見された神経科学の二つの重要な所見があります。それは、「神経細胞の自然な細胞死」と「シナプスの過形成と刈り込み」です。その所見をもとに、ダーウィニズムは、遺伝子によって作られた粗い神経組織が、第一段階で、遺伝子によって神経細胞の細胞死は決まり、第2段階で、シナプスの刈り込みは、学習という過程によってより頻繁に使う回路は残され、そうでない回路は淘汰されるということを提唱しました。これは、使わないと回路が消失するということとは決定的に違うと小西氏は言います。常に選択という過程があり、どちらを選んで消したり、逆にさらに強化する過程が発達そのものだというのです。そのことは、あくまでも自発的な行動でなければならないということ、自分の意志によって行なわれる活動こそが学習であるということなのでしょう。
このように、あらかじめシナプスを多めに用意しておき、不要になった段階で適当に刈り込み、回路を円滑に運営するというシステムは、人間の脳の発達にとって好ましいことだというのです。
早期教育の落とし穴について1月15日ごろ載せます。