先日は盆踊りの参加・ご協力ありがとうございました。ぞう組の和太鼓の演奏はいかがでしたか?まだ始めたばかりで決して上手とは言えませんが、一人一人がとても楽しそうにやっていたのが印象的でした。これからの飛躍を期待してください。
前回は音楽の学習指導要領の中身をご紹介しましたが、昭和22年に作られた過去の学習指導要領を見ると、とても面白いことが書かれています。「音楽は,音を素材とする時間的芸術である。 音楽では,素材となる音に,まず,生命が与えられる。即ち,音のリズミカルな運動が起されて,ここに,音楽的な生命の躍動が始まるのである。」「時間的芸術である」という表現が面白いですね。
ドイツの保育園には余韻が長く続く楽器と言うことで日本では良く見る楽器が使われているそうです。それは、お仏壇にある座布団の上に乗っている「りん」という楽器です。私は職業柄いつもこの音色を聞いて、この余韻を大切にしながら、さまざまな所作を行い、仏様とつながっていることを実感しています。この事を考えると、昭和22年の指導要領に書かれてあるように、音楽とは「時間的芸術」であるという気がしますし、「素材となる音に、まず、生命が与えられる」ということを実感します。
続きにはこうも書かれてあります。「生まれた音楽は,人間と同じように生きている。そして音楽独自のことばで,その楽想を語るのである。独自のことばとは何かというに,それは,音そのものであり,音の運動である。しかも,それらは,世界ただ一つの普遍語である。」音というものは、いくら余韻があるといっても消えていくものです。その点、文字や絵画は消えていきません。そこに、音楽の特異性があり、文学、図画工作とともに音楽から芸術を学ぶ必要があるのです。
音ということを深く考えれば考えるほど、安易に技術だけを教えるのではなく、音を通して、潤いある生活になるような関わりを大切にしていかなくてはなりませんね。
「りん」があるご家庭は、お休みの時に「りん」の余韻が少しずつ消えていくのを感じながら、「時間的芸術」の世界を楽しんでみませんか。
余韻
2010.07.11