最近の幼児組のお部屋をのぞくと色々な材料を目にします。トイレットペーパーの芯やお菓子の箱、新聞の広告等、さまざまですが、これがあっという間になくなり、素材の持ち味を上手に工夫して、多くの作品が作られています。それら一つ一つを見ていると、個性的なものもあれば、とても芸術的なものもあります。将来をつい期待してしまいます。しかし、保育園では造形活動をよくとりいれていますが、それは造形を通して季節や行事を意識すると共に、手先の発達を促すことや、創造力を培うために行っています。そして、何より、多くの経験を通して、将来を豊かな心を持って過ごしてもらうためです。ピカソやゴッホは二の次で良いのではないでしょうか?目の前で笑顔でいる子ども達を見ているといつもそう感じます。
(おたよりのつづき)
小学校学習指導要領22年試案では、図画工作を学ぶ意味をいくつかの視点から見ています。この視点は、何も図画工作を学ぶ意味だけでなく、私たちに、今、必要とされている力が表現されていますし、その問題に対して人類の文化が発達して来た永い歴史について考えることから始めている点が、考え方の参考になります。
まず、「発表力の養成」としています。先人の工夫し,経験したことがらを受け継いで,更にそれに自分の経験や工夫を加え,またそれを次の時代の人々に伝えていくはたらきがなければならないということです。求められる力として、伝える力です。他人の発表する思想や感情を正しく受けとる力と、自分の持っている思想や感情を正確に発表する力を備えていることが必要だと言っています。その発表する手段として、時間的・抽象的なことを発表する場合は、言語・文章により、空間的・具象的なことを発表するに適しているのが絵画・図・製作物というような造形的なものがあるのです。そのために、国語や外国語が教科として取り上げられている一方,図画工作が同様に教科として取り上げられて、造形的な発達力・創造力及びそれを理解(鑑賞を含む)する力を養うことが必要であると言っています。
続きは8月15日ごろ載せます