乳幼児教育

遊びとお仕事

2012.07.31

3・4・5歳で過ごしている幼児組では、毎日日替わりのお当番さんがいます。グループごとに活動し、一つ一つのグループにはそれぞれ3・4・5歳の子が均等に属しています。8グループもあるとなかなか順番が回ってきませんが、当番になった当日はその子にとって特別な日になっています。
お当番の一日の仕事には朝のお片付けのパトロールやレストランのお支度、そして、ぞう組のお当番はクラスの人数の計算をしに事務所に行ったり、給食のメニューをみんなに伝えたり、給食の配膳をしたりと多岐に渡っています。そのような活動を行っているおかげで最近では、お当番活動に意識や意欲が出てきているようで、自ら園でのルールを率先して守っている姿が見られるようになってきました。
  子ども達にとってのお当番活動は、仕事か遊びかの区別はついているかはわかりませんが、遊びのように楽しく仕事が出来る子ども達はとても生き生きとしています。これからも楽しみながら色々な事に挑戦しようと思う意欲を育てていきたいと思っています。 

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(おたよりのつづき)
 幼児教育の第一人者のモンテッソーリは、子どもの活動として、生活の中で達成感を得られる活動を「仕事」と呼んで、「遊び」と分けて考えました。「遊び」とは、特別な目的がなく、途中で終わってもかまわない活動であるのに対して、「仕事」は、目的や終わりがあり、終わったときに達成感がある活動であるとしました。したがって、遊びの「ままごと」はせず、本物の食材を使い、本当につくって食べて、片付けるまでを「仕事」としてやりぬきます。そして、モンテッソーリは、歩き始めのころから4,5歳までを「敏感期」と呼んで、この敏感期の子どもは「遊び」よりも、自分を確実に成長させる「仕事」をやりたがることを発見します。
 しかし、園児が園に登園してきたら、最も無理のない子どもの自然な形態である「自由遊びからはじめる」ということを、日本の子ども・保育研究の先駆者である倉橋惣三は提案しています。ここで言う自由とは、「自然な形態」を指しているのですが、彼は、モンテッソーリと違って、「目的なしには一切の教育は存在しない」とした上で、「目的を必ずしもこちらから押し付けなくとも、幼児の生活それ自体が自己充実の大きな力を持っている」という、子ども自身に自ら育とうとする力があるとする子ども観、発達観に立脚をしているのは確かなようです。
 日本でお茶の水大学付属幼稚園が設立されたときの保育方法は、欧米で行われていた恩物を中心としたフレーベル式幼稚園を引き写した形で行われていました。それは、非常に教師の主導性や指導性が強いものでした。それを倉橋は、取り扱い方法が厳密に決められていた恩物を「棚から下ろし、全部をごちゃ混ぜにして、ただの積み木にしてしまった」と称されたような保育方法をとります。それは、「子ども中心主義」であり、子どもの生活をその具体的な生活を十分に営ませることによって、より高い生活に導くとして学校の形態としてのその枠をはずしたのです。その保育方法、内容の中心は、「遊び」を主体としたものであり、一人ひとりの子どもの遊びが充実するように教師が「教える」のではなく、子どもの要望があれば、「指導」するとしたのです。
 子どもにとっての遊びは、大人でいう仕事や勉強・訓練・練習等様々な要素が含まれます。なので「遊んでばかり」とは言わずに、「○○ちゃんはいっぱい遊んでお利口ね」といっぱい言ってあげて下さい。

遊びについてもう少し8月15日ごろ載せます。

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