気が付けば、運動会の興奮からもう3週間も経とうとしています。園庭では、鉄棒や縄跳びをして遊ぶ子どももいまだに見かけます。きっと運動会をきっかけに、飛んだり回ったり、出来なかったことが出来るようになる楽しさに気が付いたようですね。
数年前より、年度初めの4月から保育の中に運動会を意識した内容の遊びをどのクラスも取り入れ、少しずつ経験できるようにしてきました。しかし、それは運動が好きな子はどんどん盛り上がるのですが、そうでない子はそれだけでは興味を示しません。そこで、夏が明けた9月頃から、自由遊びの中にも取り入れ、興味のない子も誘い入れていきます。1人また1人と自分からやりたいと思ってやってくる子が増えてくるように、時には、大人が見本を見せ一緒に経験していく中で丁寧に教え、時には、子ども達が自ら練習する姿を見守り、積極的に関わる事とそうではない関わりをしながら、子どもの意欲を引き出していくのです。
よくテレビなどでも「やる気スイッチ」という言葉も耳にしますが、子どもの意欲が湧いてくるような関わりは、必ずしも大人が介入することだけではなく、ライバル関係にある友達との関わりも意欲を高めます。どこまで関わり、どこまで見守るかの微妙なころあいをしっかりと見ていきながら、何にでも意欲的に行動できる子ども達になってもらいたいですね(^_^)V
(おたよりの続き)
子ども達が活動に対して意欲的に取り組むことが出来るか、という疑問に対して、先月も載せました全米乳幼児教育協会の指針や全米科学教育スタンダードに準拠している本である「Science Experiences for the Childhood Years」の中にこう書かれてあります。「子どもたちが体験する(ハンズ・オン)ということは、できる限り教師は手を貸さない(ハンズ・オフ)ということも意味します。」このハンズ・オンは、体験型の学習方法のひとつです。実際に手で触れるなどの体験を通じて、より理解を深めることを目的とする考え方です。
ただし、このハンズ・オンとオフは境界線をどこに引くかということが難しいとあります。いつどこでどのようなことについてハンズ・オンのスイッチが入るのか、ハンズ・オンとオフの切り替えメカニズムがどうなっているのかは外から簡単にわかる話ではありません。それは、保育において、子ども達を見守る時に、どこまで見ていて、どこから守るかという線引きに似たものがあります。それは、子どもをじっくり観察しないとつかめません。
更にこの著書にはこの線引きについて、このように書かれています。
「臨機応変に手助けすると、やる気をなくした子どもでも、物事を成し遂げられます。しかし、時間を節約するためにおせっかいな手助けをしてはいけません。」その線引きのために、子どもたちが理解したことをどう表現するのか、どう説明するのかに注意深く耳を傾けることを勧めています。
とかく大人の介入は大人都合の場合が多いような気がします。その介入がもとで、子どもの意欲を潰してしまうこともあります。なので、出来る限り大人は子どもの考えをしっかりと理解した上で、今はハンズ・オンかハンズ・オフか見極めて介入したいですね。
グループにおけるオンとオフについて11月15日ごろ載せます。