その他

「子どもの初期の言語獲得」

2016.09.05

 以前、ブログで指差しやものまねのことを載せましたが、最近のあひる組ではその時よりも成長している姿が見られるようになりました。
 以前ブログに載せた時には一方的な指差しが中心で、わからないけど、何かを伝えようとしているのだなというものでした。しかし、先日、あひる組の子ども達がお着替えをしている時に覗くと、数名の子どもが私の近くに寄ってきて、「遊ぼ」というような仕草をしました。私はお着替えの邪魔をしてはいけないと思い、「Aちゃん、お着替えするところ見せて」っと言うとすぐにそのAちゃんはお着替えをして、出来たことを嬉しそうに私に見せてくれました。更に、隣にいたBちゃんも「私も見て!」と言うかのようにAちゃんに負けじとお着替えをしてドヤ顔で見せてくれました。
 今はまだ、会話をするまでには至らない子どもが多い時期ですが、こちらの話す内容はだいぶ分かっているのかなぁっと言う場面でした。このように今はまさに言語を取得する時期なので、大人も意識して、身振りや表情を交えながら関わっています。このような、日々の当たり前ではない、意識的な関わりにより、子どもは言葉を話せるようになっていきます。もうすぐこの子達が話をするようになるのかと思うと楽しみですね。もう少しのお楽しみです。

(おたよりの続き)
 以前のブログでも取り上げた、アメリカのマイケル・トマセロという人の研究では、子どもの初期の言語のほぼ全てが、その言語を話す大人との日常的な協調的やり取りで習得されるということが示唆されています。西洋文化では、例えばベビー用食事椅子に座って食べる、車に乗りにいく、オムツを替える、池のアヒルにエサをやる、八百屋に行く、などが該当すると言っています。このそれぞれのやり取りにおいて、幼児はまずそのやり方を見て、相手と共同目標を創ることを学びます。そうすると、相手が何をしているかを相手の目標と意図に基づいて理解し、なぜ相手がそうしているのかを、今置かれている状況でどうしてこの計画が選ばれて別の計画でないのか、という観点から理解できるようになります。こうなると、今度は、共同注意の領域と相手の注意が活動中にどこに向けられているかが、かなり決定されてきます。そのため、相手が見知らぬ用語を使って何について話しているのかも決定されてくると言うのです。その後、別の状況で同じ語が使われると、意図されている指示対象とメッセージの範囲がさらに絞り込まれていくことになると言うのです。
 この時期に子どもたちの多くの時間を過ごしている私たち大人は、この獲得の経緯を理解することによって、接し方を考えないといけないと思います。

 

9月15日ごろ具体的な接し方と言語の獲得について載せます

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