カプラの制作者のトムは、美術史を学んだ後、25歳で家具を復元アンティークショップをオープンします。しかし、彼は10歳のころからお城を建てたいという夢を持ち続けていました。そこで、彼は、夢を果たすために自分の店を売って、フランスの古い城を手に入れます。そして、それを修復するための計画を立てます。そのために、ミニチュアの城を作るために、木製の立方体で製作しようとしました。しかし、キューブは、屋根、床、まぐさなどの部品を再現することがあまりにも巨大だったことに彼はすぐに気づきました。彼は試行錯誤するうちに、厚さ、幅、長さの比が1:3:15ある木の板を使ってミニチュアを作ることを思いつきます。それが1988年にフランスから発売されたカプラです。
カプラは各国の玩具賞を受賞しています。また、フランスの教育省が推薦する教育ツールです。このように確かにカプラは素晴らしい遊具かもしれません。しかし、その素晴らしさは、子どもたちにとって魅力的なものであることがまず大切です。しかし、どうしてもこれを使ってほしいときには、その素晴らしさを説明しなければなりません。カプラ本社のHPでも、まずその説明から入ります。例えば、「カプラの使用は、留め具なしに、3次元空間内のアイテムを整理する機能を開発し、子どもが問題に関するその作用手段を発見し、改良することを可能にする。」とあります。これは、「カプラを使うことによって、幾何学、物理学、技術の基本的な概念の獲得を促進し、子どもを芸術、形やボリュームの宇宙、視覚芸術の世界へ導き、バランスと集中の感覚を魅了し、熱意をそそります。」となると、少しフレーベルが考え出した積み木の概念の説明に近くなります。さらに、「発揮ロジックと想像力の両方を使用していると同時に、知的投影と反射や手先の器用さを必要とする複雑な構造を持っているために、知性と手の両方を使用します。そして、すべての年齢層に適している完全な遊具であり、しかしゲームが持つ生態学的な限界を克服し、進化論、建物などを統合するための優れたサポート言語表現である。」と書かれてあります。随分と理屈っぽい話になると、私はかえって冷めてしまう部分があります。
乳幼児において、子どもが熱中するものは、きっと、自分たちの遺伝子を子孫に残すために必要なことを理屈ではなく、学んでいる気がします。これら全てを一つ一つ大人が教えていくのではなく、子ども集団の中で、上手に伝承されていくのはすごいなと思います。そして、どの子どもも、真剣な眼差しで、楽しくやっていることが何よりうれしいですね。
積み木の魅力について
2014.10.11