前回載せた、子ども達の様々な思いというのは、個人差もありますが、年齢差もあります。それは、子どもの思いによって、そのおもちゃが可変していくものが良いおもちゃといえるかもしれません。その一つが、積み木なのです。積み木は、その子なりに、それぞれの年齢なりに出来上がる作品が違うのです。簡単なものから、複雑なものまでつくることができるのです。また出来上がる作品だけでなく、積み木は、舐めたい欲求、投げたい欲求、壊したい欲求までも満たすことができるのです。
例えば、赤ちゃんがおもちゃで遊ぶのは、いくつか理由があります。その1つは、その時期の発達を促すために必要なことを行います。それは、逆に言えば、その時期における発達にあったことが面白く感じるのでしょう。積み木を触る、舐める、ということは、その時期には触ることによって、舐めることによって、そのものを把握しようとします。その行為自体を面白く感じているのかはわかりませんが、たぶん、遺伝子として持っている好奇心がそうさせるのかもしれません。見ていると、発達して、そのことが出来るようになったことを喜んでいるかのように、何度も何度も繰り返しそれをやります。または、そのことが確実に出来るようになるための練習かもしれません。
試行錯誤は、それぞれの発達の時期に、子どもが自ら働きかけることで行うべきだと思っています。それぞれの年齢において行っているのです。ですから、同じ積み木をどの年齢においても意味があり、必要なことなのです。なので、0歳児に積み木を置いても、大きくなった時に遊ぶであろう積み木を、まずじっと見つめます。「これは何だろう?」そして、それを確かめるために、触ってみます。それで肌触りを感じます。もっと微妙に調べる?ために、舐めてみます。それらの行為が、本人が意識しているいないに関係なく行っていると思うのです。そして、次にしようとするのは、意外と積もうとします。ひとつの積み木の上にもう一つ乗せようとします。このころの積み木は、あまり小さいと積むことができませんし、滑って乗っかりにくいものは難しいです。まだ、細かい手の動きができないために、何となく偶然と積めたという感じです。
どうしても、大人は積み木で何かを作った時に、その物が成果のように思ってしまいます。積み木を舐めようとした時、積んだ積み木を壊そうとしたとき、「舐めたら汚い」「積木は積むものでしょ!」と怒る人がいますが、子どもはその時期、その時期に、将来、必要になるであろうことの準備をするのです。どうか、今の子ども達の発達を見てみて下さい。高く大きく積むことだけがゴールではありません。時には一緒に思いっきり壊すことも楽しいですよ。
「積み木は何歳から必要・・・?」
2016.10.15