ある日の午前中。
その日は事務所で遊んでいました。
絵本を持ってきたAちゃん。
絵本を読み終えて、Aちゃんに返すと、元あった本棚に返そうとします。
しかし、本棚の縦の大きさと絵本の縦の大きさが合わず、なかなか入りません。「んー!んー!」と唸っているAちゃん。
僕は、「とりあえずここに置いて、後で片付けようか」と提案し、Aちゃんは小さな椅子に絵本を置きました。
形に合わせて箱に入れていく玩具があったので、Aちゃんの前で形を合わせて入れると興味を示し、次々と様々な形のブロックを穴に合わせて入れて、遊んでいました。
中に入れては、取り出して…を繰り返すAちゃん。
しばらくすると、今度はパズルを取り出し、先程と同じようにパズルの形を見て、くるくると手首を器用に動かしながらはめていきます。
「Aちゃん、上手に出来たね」と拍手していると、食事の時間になりました。
僕と一緒に片付けをしていくAちゃん。
最後に絵本を片付けるため一冊ずつ渡していくと、さっきは「んー!んー!」と唸っていて入れられなかった絵本を、横に倒してしまうことが出来ました。
「Aちゃん、しまえたね!凄いね!!」と両手を出すと、嬉しそうな顔をしながらハイタッチをし、元気にご飯を食べるため手を洗いにいきました。
1歳児の成長のスピードを直近で感じ、驚かされました。
始めは絵本の片付けの方向や形を変えることを知らなかったAちゃんが、ブロック入れやパズルをやることで、形の仕組みを知り、最後の絵本を自分で片付けることが出来たように感じました。
毎日、パズルや穴通しなどの玩具と触れあう中で、覚えてきたことを例え一度忘れてしまっても、また再度遊ぶことにより、思い出し、自分の経験を力にしていっているのでしょう。
あの時、最初の絵本を僕自身が動いて片付けず、見守る選択をしてよかったなと、僕も1つ経験になりました。
フリー保育士 須田秀樹