7月に入ってから、子どもたちが保育園に戻ってきました。
登園していた子どもたちも久しぶりに会う友だちに「〇〇ちゃんだ!ギュー!!」など喜んでいる様子が見られます。
と同時に最近は子どもたちの成長に驚く機会も多くなりました。そんな驚いた機会の一つをお話したいと思います。
6月のある日、るんるん組に動物の新しいおもちゃがやってきました。
子どもたちは嬉しそうに鹿や象、ライオンをぶつけ合ったり「ガォー!食べちゃうぞー」「ふんじゃうぞー!!」などお話しながら楽しんでいました。
でもその姿も時間が経つと物珍しさもなくなって、他のおもちゃで遊ぶ姿が多くなりました。そんな中、一人の女の子(A子ちゃん)は毎朝動物を使って遊んでいました。「なにしてるの?」と尋ねると「動物園を作ってるの」と答えるA子ちゃん。どうやら動物を並べて遊んでいるようです。
すると1匹の虎の尻尾が箱に引っかかってしまいました。なんとか取ろうと引っ張ったり、持ち上げようとしますが中々取れません。
「どうするのかな、手を貸そうかなー」と思いながら見ていると、A子ちゃんは虎を引っ掛けたまま周りの動物たちに「助けてー、引っかかったよー、みんなー!」と虎の気持ちを代弁していました。周りの動物たちもそれに応えるように「虎さーん!!大丈夫?」「どうしたの??今引っ張るねー」とA子ちゃんはライオンや鳥の気持ちになって代弁して助けていました。
A子ちゃんは普段からなんでも自分でやろうとする気持ちが強い子です。でも自分でできない時は「先生〜やって」と甘えてきます。
今回、自分で作ろうとしていた動物園で偶然にも尻尾が引っかかってしまうというハプニングが起きました。いつも困った時にはすぐ「先生〜」と甘えるA子ちゃんですがこの時は誰にも頼らず、ハプニングを遊びの一つとして進めていきました。
でも何よりも驚いたのは動物たちになりきって気持ちを表現していること!!
2歳から3歳は生活習慣の自立と共に一人遊びから集団へと少しずつ変化をしていき、集団保育への芽生えを感じ始める時期です。
ごっこ遊びやルールのある遊び、共に午睡をしたり散歩をしたりして周りを知っていきます。もちろん、知るというのは認識だけでなく気持ちを考えるのもその一つです。
今回、A子ちゃんは保育者に頼らず、遊びの中で困った虎の気持ちや周りにいた動物たちの助けようという気持ちに寄り添って遊んでいました。
気持ちを考える、そんな場面の素敵な瞬間でした。
るんるん組担任 岡本万太郎