高月齢児の子どもたち同士でのコミュニケーションが多かったるんるん組も、後半になると低月齢児の子や一時保育のすまいる組の子も、みんな関わりを持って遊ぶ姿が多く見られるようになりました。
子どもたちは毎日元気いっぱいです。
そんなるんるん組に新しいお友だちが増えました。大きいぬいぐるみです。
ぎゅっと抱きしめると気持ちいいぬいぐるみはすぐにるんるん組に馴染み、子どもたちのお気に入りになりました。
でも大人気なのもあり、「わたしがつかってた!」「かしてくれない…」とお友だち同士でぬいぐるみ争奪戦を繰り広げている毎日です…
ある日、Aちゃんがユニコーンの大きいぬいぐるみで遊んでいると、Bちゃんが私に「あれつかいたい…」と相談してきました。
私が「貸してって言ってみたら?」というアドバイスをすると、BちゃんはさっそくAちゃんに「かーしーてー?」と聞きました。でも「やーだーよー」「あーとーでー」の返事をしたAちゃん。
Bちゃんはしょんぼりした表情で「あとでだって…」と私に報告しました。私は「Aちゃんはもう少し遊びたいのかな。もうちょっと経ってから貸してって聞いてみたら?」と言いましたが、子どもにとって待つというのは難しい事です…
Bちゃんは、Aちゃんが使っていたユニコーンのぬいぐるみを無理やり取ってしまったのです。
もちろんAちゃんは返して欲しいと言わんばかりに泣いています。そんなAちゃんのことを気にも止めないBちゃんは、やっと自分が遊べる番だ!と大喜びでニコニコしながらぬいぐるみの上に乗ってジャンプしています。
でも、あまりにも泣き止まないAちゃんのことが少しずつ気になってきたBちゃんは、少し遠慮しているのかだんだん小さいジャンプになっていきました。
私はBちゃんがどのような行動をするのか見守っていましたが、さすがにAちゃんも泣きすぎてきたので私がBちゃんに「Aちゃんまだ泣いているよ?」と声を掛けようとした時、Bちゃんは自らAちゃんのそばまで行きました。そして、「いっしょにのろう!」と声をかけました。
始めは声をかけられてキョトンとしていたAちゃんでしたが、Bちゃんが「ここのって!」とぬいぐるみの上を指さしながら言うと、Aちゃんは喜んでぬいぐるみにダイブしていきました。泣いていたのがウソのように二人はなかよく遊び始めました。
お友だち同士でのトラブルが起きて保育士が仲裁に入る時、「お友達泣いてるよ?」「どんな顔してるかな?」とお友達の気持ちを知ってもらえるようにお互いの気持ちを代弁しています。
今までは自分がやりたい!という気持ちが強かった子どもたちですが、少しずつ相手の気持ちのことも理解してくれるようになりました。Bちゃんは保育士の手助けを借りずに解決できたのですごいですね。お友達思いな子どもたちがたくさん増えると嬉しいです。
るんるん組担任 山田 晶子