るんるん組が幼児組に移行して2週間くらい経った時のこと。
子どもたちは幼児組での生活に慣れ、のびのび過ごす姿が見られるようになっていました。
継続カードを使っておもちゃを継続したり、朝の会や帰りの会ではお山座りできちんと話を聞いています。
そんなるんるんさんですが、実は移行前にある一人の女の子(Aちゃん)に「幼児組に行きたい!お姉さんもしたい!!」という気持ちの葛藤がありました。
それは令和3年1月18日。るんるん組の半分のお友だちが幼児組へ移行し、さらにるんるんのお部屋にはすくすく組が半分移行してきました。僕はそんなるんるんのお部屋でAちゃんたちと一緒にすくすく組さんをお出迎えしました。
一日目はすくすくさん、るんるんさんで共に遊ぼうということでお部屋で過ごしました。
ただ自己紹介はできるのですが一緒に遊ぶことは中々上手くいかず、チラチラ気にしているもののクラス同士まとまって遊んでいました。それでも上の子は下の子が気になるようで絵本が読めない子がいると「読んであげるよ」「どんないろがすき♫」などかかわりあっていました。
そんな中、Aちゃんはというとすくすくさんに弟がいるので「今日は○○くんくる?いつくるの?」と気にしていたり、幼児組に移行した子たちのことも「○○ちゃんはどこ行ったの?」と気にしていました。
「あと4回保育園来たら幼児さん行こうね」「あと4回保育園きたら○○くんくるよ」と毎日お話をしていました。幼児組に上がるのはとっても嬉しいのか「早く行きたい!!」とお家でも話しているようでした。
次の日、みんなでお散歩に行きました。るんるんさんはササっと靴を履き準備をします。
でもすくすくさんはるんるんさんのようにはいかず、そんな様子を見ていたAちゃんたちは「こうやるんだよ」「やってあげる」と自発的に手伝ってくれました。
散歩中も「こっちは危ないからかべかべだよ」「自転車くるからこっち!」と手を引いて守っている様子がありました。翌日も散歩に行き、同じ様子がありました。
始めは中々かかわることは少なかった子どもたちも、1週間一緒に過ごすと他児への興味が出てき始め、手伝ってあげたり守ってあげたりするようです。
そんなある日、Aちゃんの連絡帳に「幼児さんに行くのは楽しみだけど、すくすくさんのお姉さんもしたい気持ちがあるようです。」とありました。「早く幼児さんに行きたい!」と言っていたAちゃん。でも靴を履かせたり、一緒に散歩にいったりすることで自分より年下の子を認識しはじめ、お姉さんをしたいという気持ちが出てきたようでした。
このように移行時期は子どもたちの気持ちに変化や葛藤があり、はじめは「幼児さんに行きたい!」という気持ちでも、一緒に過ごすうちに少しずつお姉さんをしたいという気持ちが芽生えてきました。
来年のこの時期、次はどんな気持ちの変化が見られるのでしょうか。僕たちはそんな子どもたちの気持ちや想いを大切にしていきたいと思います。
岡本万太郎