木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

自分でできるよ!(0歳児クラス・よちよち組編)

2021.05.14

昨年度のお話ですが…。

もうすぐすくすく組への進級を控えていたよちよち組のお友だち。
少しずつ、身の回りのことを「自分でやりたい!」「やってみたい!」という気持ちが強くなってきました。
もちろんまだまだ「せんせいやって~」な時もありますが、ある時突然スイッチが入ったようにやる気モードに突入するお友だち!

いつものように、園庭で遊び、ご飯の時間が近づいてきてお部屋に入ろう!という時のことです。
「お部屋に戻ろうね」と声を掛けると、元気よく「はーい!」と返事をしてテラスに腰かけたAちゃん。
いつもなら「やってー」とすぐに保育士に助けを求めるAちゃんでしたが、この日は一味違いました。一生懸命靴のマジックテープを剥がし、自分で靴を脱ごうとしていたのです!
マジックテープは剥がれたものの、なかなか思うように靴を脱げず苦戦しているAちゃん。

すぐにでも手を貸したい気持ちをぐっとこらえて、「どうするのかな」と次の行動を待ってみました。

すると、ここで「やってー」とAちゃんからの訴えがありました。

私は、Aちゃんが脱ぎやすいように少しだけ踵をずらし、「どうぞ」とまたAちゃんに促してみることにしました。
そのまま自分で靴を脱いだAちゃん。

さらに、靴下も自分で脱ぎ、その靴下を片方ずつ自分の靴の中に入れ、自分の顔写真が貼ってある靴箱の中に片付けてくれたのです!

この一連の流れは、日頃から「くっく脱ごうね」「靴下も脱げるかな?」「お顔(の写真)のところにお片付けしてきてね」と保育士が促していることではありますが、この日私がAちゃんに掛けた言葉は「お部屋にもどろうね」という言葉だけでした。
Aちゃんは、お部屋に戻るという言葉から、靴を脱ぎ、靴下を脱ぎ、靴を靴箱に片付ける…という動作を連想し、それを自分の力でやろうという気持ちから見事やってのけたのです。

さらに、困ったときに保育士に「やってー」と助けを求めることもできたAちゃん。私は、Aちゃんの意欲と発達に驚くとともに、とても嬉しい気持ちになりました。

日々の生活の流れが身についていること、自分でやろう!という気持ちをもってくれたこと、自分でやり遂げた成功体験を味わってもらえたこと…。それとともに、私たち大人の援助のタイミングや方法の重要性にも気づかされました。
もし、なかなか靴が脱げず奮闘している時にこちらのタイミングで手を貸していたら…、「やってー」と言われたときに、Aちゃんが靴を脱ぎやすいようにする援助ではなく、Aちゃんの靴を保育士が脱がせる援助をしていたら…。

きっと今回のような成功体験は味わえず、また、せっかくのAちゃんの意欲も活かせずに終わってしまっていたかもしれません。

「自分でやりたい!」という意欲がわいてくる今の時期は、私たち大人もどこまで援助をしたらいいのか、どんな援助をしたらいいのか悩みながら子どもたちに接しています。
これからも、子どもの気持ちを尊重しつつ、時に手を差し伸べながら、子供たちの成長を見守り続けたいと思います。

 

平塚 美宇

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