1歳児クラスのすくすくさんは4月からクラスに新入園児も加わり、環境も新しくなりましたが、すっかり慣れてきたようで毎日楽しそうな日々を送っています。
そんなすくすく組では以前、室内遊びで新聞紙や広告用紙を使って遊びました。
乳児の新聞紙遊びと言えばぐちゃぐちゃに丸めたり、ビリビリに破いたり、好きなだけそのようなことが出来るので子どもにとってもストレス発散できるではないでしょうか。
他にも、くるくる丸めて棒状のものを作っている子もいました。思いのほか器用にできていたので、これにはとても驚きました。
普段子どもが使い終わったエプロンを自分でくるくる巻いて片付けるので、その手先の使い方が身に付き、職員が手伝わなくても自分で上手も出来たのかもしれません。
新聞紙遊びはそれだけでなく、考え次第では遊び方は無限大だと思っています。
そんな新聞紙遊びとは別に、新聞紙の中に入っていた広告用紙も使って遊びました。最初は新聞紙と同じような遊び方をしようかなと考えていたのですが、広告用紙は新聞紙に比べてカラフルだったり、イラストや写真がたくさん使われていることからそれを活かした遊びはできないかな?と思いました。
とりあえずせっかく写真やイラストがたくさん使われているので破いたりはせずに、子どもたちに広告用紙を見せました。すると、子どもたちは絵本を見るかのように興味を示し、じっくりと広告用紙を見ています。
色んな写真がありましたが、中でも特に人気だったのがスーパーのお買い得商品の広告です。そこにはお買い得の商品や食材の写真がずらっと並べられ、大人にとってはただのスーパーの広告ですが、子どもからしたら魅力的なものに見えるのかもしれません。
広告を見ながら自分の知っている食材を指さして名前を言ったり、「これなーに?」と保育士に聞いてくる様子もありました。
ただ見るだけでも楽しんでいる様子でしたが、せっかく広告用紙を広げたのでちょっとしたお店屋さんごっこをして遊びました。
「いらっしゃいませ~」と声を掛けて客寄せをし、「今日は〇〇がお買い得ですよ~どれが欲しいですか~?」と聞くと「これ!」「〇〇がいい!」と自分の欲しい商品を教えてくれました。
みんな好きな果物や野菜を教えてくれる中、Aちゃんはオムツを指して「これちょうだい」と言っていました。「なんでオムツがいいの?」と聞くと、Aちゃんは「お家にある」と答えてくれました。
きっと家でいつも見るオムツと広告用紙に載っているものが結びつき、Aちゃんにとってはオムツが1番身近に感じたのかもしれないです。
もう少し大きくなったら「100円です」など、金銭のやり取りをしたり、切り取ったものを鞄に入れてお買い物ごっこをしたりと、様々な遊びに発展できそうです。
私たちは今まで、新聞紙や広告用紙は丸めたりちぎったりする発想しかありませんでした。
しかし遊び方はそれだけでなく、破いたりせずに紙を広げて見るだけでも、お店屋さんごっこに繋がることを今回のエピソードを通して学びました。
遊び方はこれだけではなく、無限大だと思っています。廃材遊びに限らず、これからももう少し頭を柔軟に使って他の遊び方にも発展できないか、考えていきたいと思います。
また、「廃材」というのは役に立たなくなった、不要になった材料のことを指しますが、子どもにとって「廃材」も立派な遊び道具になります。
普段の生活の中で私たちが使っているものでいらなくなった物があったとしても、「この廃材は保育で何かに活かせないか?」「これを使うことで子どもたちは喜ぶのではないか?」などと視点を向けることをもっと積極的にやっていきたいと思いました。 子どもにとって「廃材」というのはある意味「廃材」ではないのかもしれませんね。
梁田 莉里歌