入園してから4ヶ月が過ぎました。よちよち組が園生活に慣れ始めた夏頃に保育室の環境設定を変えました。ハイハイや伝い歩き、歩行などできることが増えてきたよちよちさん。
そのような発達に合わせて環境設定を変え、0歳児と1歳児合同で広い空間で遊べるようにしました。
今までは仕切られた空間でパーテーションにつかまり立ちをして1歳児が遊んでいるおままごとやブロックなどの普段手にしないおもちゃをキラキラした目で遊びたそうに見ていたよちよちさん。
壁がなくなったことでパーテーションの向こう側にあった興味のあるおもちゃがレパートリーに増え、活動範囲や遊びが広がりました。
仕切りをなくした頃からAくんは歩き始めるようになり、おままごとコーナーやブロックなど目に入るもの目がけて歩いていくようになりました。そして新しいおもちゃを手に取って口に入れてみたり、おもちゃ同士を叩き合わせて音を出したりするのを楽しみ、散策活動の場を広げていました。
ある日のこと。いつものようにおままごとコーナーでおもちゃをカジカジしているAくんの前では、1歳児の女の子がエプロンと三角巾を着けて料理する真似をしたり、バッグに食べ物のおもちゃを入れてお買い物ごっこをする姿がありました。
Aくんはおもちゃをカジカジするのに夢中な様子でしたが目線はなんとなく女の子に向いているようでした。
カジカジするのを終え、立ち上がった時目の前に女の子がつけていたエプロンと同じものが落ちていて拾ったAくん。そしてそのエプロンを持って保育士のもとまで歩いていきました。
「つけて!」と言っているようにエプロンを差し出してきたのでつけてあげると、ニコニコなAくん。
しかし、ここで保育士は思い出しました。お散歩に出るとき帽子をかぶったり靴下を履くのを嫌がったりするA君の姿を見たことを…‼
自分でやろうと思っていないことをやられるのは誰でも嫌ですよね。Aくんもそんな気持ちだったと思います。
でもそんな姿から一転、エプロンをつけて嬉しそうな顔をしているAくんを見るのは新鮮でした。
そして、三角巾を見つけると自分で頭につけようと腕を動かして試行錯誤していたAくん。
三角形の布の結び目部分にゴムがついている三角巾を、頭にかぶるものという認識をしていたのに驚きました。しばらく自分でつけようと頑張っていましたがうまくつけられず…保育士のもとまでやってきたので三角巾もつけてあげるとフルコーディネートの完成!女の子と同じ格好になりました。
0.1歳児が一緒に過ごす異年齢保育で、0歳児にとって1歳児が遊んでいるものや行動が良い刺激になります。1歳児がやっている遊びを見て0歳児が興味関心をもち、自分で選んでその遊びをやってみよう!という気持ちが作られます。
Aくんも今まで身につけるものを嫌がっていましたが、女の子のエプロンをつけている様子を見て、着てみよう!という気持ちが芽生えたのかな、と思います。
今後も異年齢保育の中で子どもたちがどのように過ごしていくのかが楽しみです。
山田晶子