るんるん組になって6ヶ月。段々とトイレや着替えなどの生活習慣が身についてきました。言葉も増え、先生やお友だちとの会話を楽しむ姿も多く見られるようになってきました。
るんるん組では幼児組への移行に向けて、自分でできることを少しずつ増やしていけたらと思い、一人ひとりのできること・できないことを見極め、できないところはお手伝いをしながら少しずつ自分でできるように声掛けをしています。
子どもたちにも自分のできること・できないことを知ってもらいたいと思い、「できないときは手伝ってって言ってね」と伝えています。すると、着替えなどでできないことがあると「できない!!」と言うだけでなく、先生に「先生、手伝って!」と助けを求められるようになりました。
初めから「手伝って~」と先生に甘える子もいますが、様子を見ながら「ここまでお手伝いするから、ここから自分でやってみようか!」と声掛けをしています。
いろいろなことができるようになってきたるんるん組さんに、お昼寝から起きた後、今までは先生が畳んでいた布団を「自分で畳んでみる?」と聞いてみました。
初めは敷き布団を半分に畳むところから始め、今ではタオルケットを自分で畳もうと挑戦しています。畳み方がわからない、大きくて難しいなど様々な理由で多くの子が「先生、手伝って!」と持ってきます。
残り一折まで畳んで渡し、「あと1回ぱったんしてね」と伝えていました。それを何回か繰り返すことで『畳むときは端と端を合わせる』ということが身につきました。それでも自分の身体より大きなタオルケットを畳むのはまだ難しいようで、何度か自分で試した後に手伝ってと持ってきます。
ある日のお昼寝明けのこと。いつものように「布団畳めるかな?」と声掛けをすると、Aちゃんは広い場所でタオルケットを広げて自分でぱたんぱたんと上手に畳んでいました。いつの間にか自分で畳めるようになっていたのです。Aちゃんは進んで先生のお手伝いもしてくれるので、「先生、手伝って」と持ってきた子に「Aちゃんにお願いしてみたら?」と提案してみました。
「手伝って~」と声を掛けられたAちゃんは「いいよ~」と快く返事をしてくれました。しかも、お友だちのタオルケットを畳んであげるのではなく、2人でタオルケットの端と端を持って、「そっち持ってね」「ここ合わせるんだよ」と教えてあげていたのです。その光景にとても驚き、やり方を伝えるときは見せてあげるだけでなく、一緒にやることも大切なのだなと改めて気づかされました。
しばらくしてBくんが起きてきて「先生、手伝って」といつものようにタオルケットを持ってきました。「Aちゃんがやってあげる!」とAちゃんがタオルケットを取ろうとした瞬間、「Bがやる!!」と言い、自分で頑張って畳もうとしだしました。何度か挑戦した後、やはり難しかったようで「Aちゃん手伝って」と声を掛けていました。先生ではなく、Aちゃんに声を掛けたことに驚きました。
子どもたちなりの葛藤や思いなど、私たち大人にはわからないこともたくさんありますが、子ども同士の関わりの中でいろいろなことを感じ、学んでいるようでした。
手伝ってあげる子には思いやりの心が芽生えたり、大人に教わったことを友だちに伝えることで自信にも繋がると思います。手伝ってもらう子はやり方を覚えてできることが増えたり、自我が芽生えて自分でやろうとしたり、競争心から頑張ろうとする気持ちも出てくると思います。
子ども同士の関わりの中で子どもたちはいろいろな思いを体験しています。そして私自身も子ども同士のやりとりを見る中で、子どもへの伝え方など学ぶものがたくさんあります。
子どもと関わる中で子どもの思いをもっと汲み取れるようにしていきたいと思います。
梅原侑里