早いことに1歳児クラスのすくすく組さんも進級してから半年が経とうとしています。この半年で言葉もたくさん出るようになり、少しずつ友達や周囲の人への興味や感心が高まっているように思います。
夏頃からよちよちさんと同じ空間で遊ぶことも増えた分、すくすくさんは自分が作り上げたブロックや積み木をよちよちさんに壊されてしまうこともしばしば…。それによって怒ってしまうすくすくさん。
よちよちさんも悪気はないとはいえ、やはり一生懸命作ったものを壊されたら悲しいのは当たり前ですよね。そういう時はじっくり集中して遊べる空間を作ってあげます。
すくすくさんだけの空間でAくんは一人で集中して積み木で遊んでいました。一人でひたすら積み木を積み上げているところに他の子が別の積み木を重ねてきました。Aくんにとってはせっかく邪魔されない空間になったのに他の子が積み木を重ねてきて嫌がるのかな、とその様子を見ている私は思っていました。
しかし、Aくんの反応は私の考えに反するものでした。Aくんは他の子が積み木を重ねてきたことに嫌がることなく、一緒に遊び始めたのです。更にそこへ別の子も加わり、4人で協力して高いところまで積み木を積み重ねて遊びました。
最後の1つまで積み上げ完成させると、1人の子が積み木を思いっきり「がっしゃーん!」。派手に壊してしまいました。これはさすがにみんな怒ってしまうのではないか…?
しかし、この私の予想も見事に外れ、みんなは派手に壊れたことに対して「キャー!」と大喜び!自分1人で作り上げたものを壊されると怒る姿がありましたが、今回はみんなで作り上げたもの。みんなで協力して作ったものだからこそ、壊すところまでみんなで楽しむことができる子どもの素晴らしさを感じました。
他にもこのようなエピソードがありました。最近すくすくさんにやってきた新しいおもちゃ。シリコン素材の物をプチプチとひたすら押すおもちゃで夢中になる子が多いです。これはサイズも小さく、どちらかというと1人遊び用のものです。個数も2つしかないので、正直このおもちゃを巡って喧嘩が勃発するのではないかと思っていました。
そのおもちゃをAちゃんが使っているところに、Bちゃんがやってきて、横からそのおもちゃで遊ぼうとしました。今までのAちゃんだと、「これAが使ってるのー!」と頑なに自分の物にしてしまうことが多かったですが、この日のAちゃんは「Bちゃんも一緒にやる?」とBちゃんを誘ってくれたのです。Bちゃんも遊びを受け入れてもらえたのが分かったのか、嬉しそうでした。小さいおもちゃでも2人で喧嘩することなく遊んでいました。Bちゃんがそれに飽きて他のおもちゃで遊ぼうとしても「Bちゃん待ってー!一緒に遊ぼうよ!」と追いかけまわすほどAちゃんはまだまだ一緒に遊びたかったようです。
今までは一人遊びをすることが多かったすくすくさん。しかし最近はお友だちとの関わりも増え、一緒に遊ぶ姿をよく見かけるようになりました。
まだまだ発達的には一人遊びを楽しむ歳でもありますが、お友達と同じものを作り上げる楽しさ、一緒に遊ぶことの楽しさも少しずつ分かってきたのではないかと思います。子ども同士で遊んでいる時、1歳児の場合、保育士はただやり取りを見ているのではなく、その姿から「楽しいね」などと、子どもの気持ちを代弁したり、遊びを広げることも大切です。
そして、もちろん一人遊びをすることも大事なことなので一人で集中して遊んでいる時はそっと近くで見守り、遊びの保障をしています。
その時の子どもの姿に合わせて、友達と遊ぶ楽しさをこれからも子どもたちにたくさん発信していけるよう日々の保育に努めていきたいと思います。
梁田莉里歌