ある晴れた日の午後。
るんるん組のAくんが、室内のドアに写っている光を見つけました。
いつもはない光に、これは何だろう?というように、近くに行って眺めたり、触ったりしています。
光の正体…
それは反射。
床にあるステンレスに光が当たり、ドアに反射して写っていたのです。
正体不明の光。
Aくんは、Bちゃんを呼んで来ました。
「見てみて〰️!!」
BちゃんもAくんと一緒に、ドアに写った光を触っています。
Bちゃんも不思議そうに光を触ります。
そんな様子を見てみて、他のお友だちも集まって来ました。
「何、これー?」
「この丸、何〰️?」
子どもたちが話し合っています。
私はわざと光を遮る位置に立ってみました。
「消えた!」
「なくなったよ?」
今まで見えていたものが急に消え、ビックリする子どもたち。
そして私はまた少し位置を変えて立ちました。
「見えた!」
「見えた、見えたよ!!」
消えた光が出てきたことにビックリしています。
この光の正体が何なのか。
結局子どもたちは答えが出せぬままでした。
私も特に伝えたりはしませんでした。
「この丸は、ここに光が当たってうつってたんだよ!」そう伝えれば早かったかもしれません。
それで子どもたちは1つ、知識を得たのかもしれません。
でも、教えてもらったことよりも、自分で考えたり、探したりしたことの方が、もっと大切なのでは…と思っています。
「これって何だろう?」
「いつもは見えないのに、何で見えたんだろう?」
「急に消えたり、現れたのは何でだろう?」
きっと子どもたちは、あの時、色々な不思議に出会ったはずです。
そして色々考えたはずです。
眺めてみたり、触ってみたりしながら感じた不思議。
答えは出なくても、色々と感じた不思議。
そんな気持ちを大事にしたいと思っています。
世界ではSTEM(ステム)教育が必要だと言われています。
STEM教育とは、科学、数学分野に重点を置いた教育の総称です。分野内のScience(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、 Mathematics(数学) の頭文字を取って、名づけられました。
ほほえみ保育園の他の職員ブログでも、サイエンスについて触れているものがありますよね♪
そんなSTEM教育への第1歩が「これって何だろう?」という不思議に思う気持ちです。
大人にとってはすぐに答えが出てしまうかもしれない。
でも、子どもたちはたくさんたくさん考えて、色々試して、失敗して、眺めたり、触ったり、また考えて…
更には友だちと共有する。
そんな経験をたくさんしてほしい。
そんな経験をたくさんさせてあげたい。
そう思って日々保育をしています。
もっと、答えがわかりやすいアプローチの方が良かったかなぁ…?
もっと光について知らせる方法が他にもあるかなぁ…?
私自身もそんなふうに反省し、考えながら、
子どもたちが不思議を探求するお手伝いをしていきたいです!
早野恵美