最近よちよちさんの「自分でやりたい!」という気持ちが伝わる行動が増えてきました。今回はそんな子どもたちの様子を紹介します。
ご飯を食べ終わったAくんが先生と一緒に「ごちそうさま」の挨拶をした後のお話です。
水で濡らしたタオルで口と手を拭くのですが、先生がやってあげることがほとんどでした。Aくんもされるがままで口と手を拭いてもらった後、お部屋に戻っていきます。
でも、秋になり過ごしやすい気候になった頃。その日のAくんは違う行動をとりました。
いつも通りAくんの口を拭いてあげようと私がタオルを持って手を伸ばしました。するとAくんがタオルをバッと取り上げ、自分で口を拭いたのです。
上手に拭けていないところもありましたが、Aくんが自分からやろうとする姿を見るのが初めてだったので、私はしばらくAくんを観察してみることにしました。
口を拭いた後、着けているエプロンを取り、タオルとエプロンをクルクル丸めて椅子から立ちました。そして丸めたエプロンを持って汚れ物カゴのある棚へ歩いていき、カゴの中へエプロンを入れました。
そんなAくんの姿を見て私は驚きました。なぜなら、口を拭いた後エプロンをカゴの中にしまうことをAくんに声をかけたことがないからです。
また、ある日のオムツ替えの時間では、ズボンを履かせてあげようと思い私が持っていたズボンをAくんがバッと取り、床に座って自分で履こうと足を曲げたり伸ばしたりして頑張っている姿が見られました。これもズボンの履き方を直接教えたことはありません。
なぜ、Aくんは先生に教えてもらっていないのにも関わらずエプロンをしまうことやズボンを履こうとすることができたのか…
私はAくんの観察力が関係していると思いました。
園では0.1歳児が同じ部屋で過ごしています。同じ部屋で過ごす中で、Aくんはお友だちや先生がエプロンをしまう様子や、1歳児の子がズボンを履いている姿を4月から見てきました。
そしてAくん自身歩行ができるようになって行動範囲が広がったこの時期に「僕でもできるんじゃないか?」と思ったのか、「自分でやりたい!」という気持ちを先生からタオルやズボンを取る行動で見せてくれました。
最近はAくんだけでなく、よちよち組ほとんどの子がエプロンをしまうことに意欲的です。
そんな子どもたちの意欲を損なわないように、汚れ物カゴに顔写真を貼って自分のものが分かりやすいようにしたり、おもちゃの写真を棚やカゴにつけて片付ける場所を分かりやすくしたりなど、保育の中で様々な工夫をしています。
エプロンをしまうときやズボンを履いているときはAくんの「自分でやりたい!」という気持ちを邪魔しないように、私はあえて見守ってきました。Aくんのやりたいことを見守った後、エプロンをしまうときやズボン履くときのアドバイスをしていきました。Aくんのやりたい気持ちを認めてあげることでAくんの自信につながります。
そして、そんな姿を見せた後は必ず「できたでしょ?」と言っているような顔をしたり、拍手をして喜んでいる子がほとんどです。子どもたちは褒めてもらうことで次のステップに繋がります。
お家でもお子さんがやりたい!という意欲を見せたときはぜひ見守って、褒めてあげてみてくださいね。
山田