お昼寝明け、おやつの時間のひと場面。
当法人では、見て真似ぶ、学ぶという観点から0歳児と1歳児が一緒に食事を摂っています。1歳児の子どもが食事をしている姿を見て、0歳児の子どもも同じことをしようとします。そのような生活をしているなかでのエピソードです。
1歳児の男の子A君。『まだ寝ていたいよう!』と横になっています。その側にいつも一緒に食事を摂る0歳児の男の子B君がいます。
A君は食べることが大好きなので、普段は誰よりも早く食べる支度(手洗いや、エプロンの着用)をしてA君がB君を誘いに行きます。さらに、自分の準備が終わると、B君の食事の支度も手伝ってくれています。
ですが、この日はどうしても眠たかった様子で、なかなか起き上がる事ができませんでした。
その様子をみたB君、『おやつに行こうよ!』と言うかのように側により、起こしてあげようとしています。さらに、自分が普段してもらっていることをしようとしているのか、エプロンも持って起こしに行っています。
しばらくして、A君が気持ちを切り替える事が出来ると、B君の持ってきたエプロンを受け取り、手を繋いでテーブルまで行き、一緒に『いただきます』をする事ができました。
0歳児というとまだまだ『してもらう』ことがメインになってしまいがちですが、してもらったことを経験に自分でしようとしていく時期でもあります。
今回のケースは今までA君にしてもらっていた、食事の準備をしっかり覚えていて、その経験を基にA君にしてあげている姿だと思います。
また、A君もいつも一緒にいるからこそのつながりから、快くB君の誘いを受け止めたのではないでしょうか。
0歳児だから、1歳児だからと年の差を考えてしまいがちな我々大人ですが、子どもにとっては我々大人の考えなど関係なく、自分でその場のシチュエーションをみて、どう行動するか考えています。
今回の場面でも大人が先に起きているB君におやつを差し出してしまうことは簡単なことです。
でも一歩下がって待つことで、B君がこのような経験をする機会を持つ事ができました。日々の生活の中で『早く!』と思うこともありますよね。待つことって本当に大事だなと改めて感じる場面でした。
中平