幼児組に移行して2月から始まったお当番活動。太陽、地球、星、月の4つのグループに分かれて朝やお昼などにお当番活動をしています。
初めてのお当番なので移行してすぐの頃は「わたしは何グループ?」と興味を持ち、「今日わたしお当番?」と先生と一緒に確認しながら毎日変わるお当番活動に参加していました。
4月にのびのび組に進級した子どもたち。多くの子どもたちが口癖のように「もうのびのびさんだからね」「おねえさんだもん!」と言い、幼児組になったことへの自覚が芽生えているように感じます。そのような意識の変化の中でAちゃんがある葛藤をしていました。
朝9時になると事務所に人数確認をしに行くお当番活動が始まります。先生が「今日のお当番は太陽グループだよ」と声を掛けると、急いでお片づけをして当番に行く準備をしています。
太陽グループのAちゃんは朝からおままごとに夢中でした。自分がお当番であることは分かっていましたが、この日は遊びたい気持ちが勝ったのか何も言わずに遊び続けていました。それに気づいた先生が「Aちゃんお当番だよ。片付けて行っておいで」と声を掛けると「行かない」と一言。「どうしていきたくないの?」と聞いても「行きたくないから」の一点張りでした。
まだ3歳なので明確な理由がわからないのか、ただ単に理由もなくその日の気分で行きたくなかったのかはわかりませんが、まだ始まったばかりのお当番活動なのでしっかり話をしてみることにしました。
「お当番のお仕事って何があるか分かる?」と聞くと、「マグネットする(事務所で行う人数確認)、テーブル拭く」としっかり答えが返ってきました。
「Aちゃんがやらないと、Aちゃんの分のお仕事は誰がやるの?」「Bくんたちがやればいい」とほかの太陽グループの子たちを指さしました。
「3人しかいないよ?大変じゃないかな?」「うん」「今日やらない、けど次はやりたい、みたいにお当番は好きなときにできるものじゃないよ。もうこれからずっとやらないでいいの?」と聞くとそれは困ると言わんばかりの顔をして「…やる」と小声で言いました。
そのとき、今の気分で行きたくないと思ったのだなと感じました。「じゃあ今日のお仕事もやる?」と聞くと「うん」とのこと。
しかし、お話が長かったためその日の朝の当番活動は終わってしまいました。「やりたかったのに!」と泣き出すAちゃん。「今度からは9時に先生が声を掛けたらすぐに来てくれる?そうしたらみんなと一緒にお当番できるよ」と伝えると「わかった」と言ってくれました。自分が行かないといったから終わってしまったという思いがあったのかすぐに泣き止みました。
4日後の次のお当番の日。今日はどうかな?と様子を見ていると「太陽さんお当番だよね!」と自分から確認にきたり、お昼前のテーブル拭きや食材ボードにマグネットを貼るのを手伝ってくれました。「ありがとう、先生助かっちゃったよ」と伝えると「だってお当番だからね!」と自信に満ち溢れた表情を見せてくれました。
お当番活動では責任を持って最後まで仕事をすること、挨拶、数字への興味、人の前に出て話すこと、などたくさんの経験をしています。また、お手伝いをして「ありがとう」と言われることで自己肯定感も高まっていきます。
まだ始まったばかりなので、これからもたくさんの葛藤をするでしょう。幼児組での1年間は今までよりももっと成長が見られると思うので、楽しみながらいろいろな経験を通して心も成長できるよう、私も一緒にお手伝いをしながら成長できたらいいなと思います。
梅原