るんるん組に進級し、やる気にみちている子どもたち。いろいろな場面で「じぶんで!」という姿がたくさんみられるようになってきました。特に意欲的な姿が見られる排泄ついてその様子をお伝えします。
トイレでの排泄に関しては「保育園ではトイレに行っていると聞くけど家では全然行かないです」という話をよく聞きます。保育園でもすべての子がトイレに意欲的という訳ではなく個人差があります。その子の気分でトイレを拒否することもあります。
こんな事がありました。
おもちゃに夢中でトイレを拒否することが多かったAくん。
その日は、井型ブロックで時間をかけて新幹線を作っていました。出来上がると「しんかんせん!見て!」と見せに来てくれたり、井型ブロックをつなげた線路の上を走らせたりして遊んでいました。
「Aくん、トイレに行く?」と尋ねますが、新幹線に夢中でやはり拒否でした。
そこで「Aくん、そのかっこいい新幹線をあそこまで出発進行エイエイオーしよう!」と声を掛けてみました。
あそことはトイレ前の着替えスペースにある棚のことなのですが、Aくんは「駅?」と興味を示してくれ、保育者と「エイエイオー」と言いながらトイレ前まで進み到着。
「トイレ駅です。ここの棚の上に止めてくださーい」と伝えると、新幹線をさっと置いてくれたAくん。
「新幹線が止まっている間にトイレに行きましょう!」と促すと、ズボンを脱ぎ始め、友だちと一緒にトイレに座りました。
その日以降、たまに拒否はみられますが、駅に停めに行こう!シュシュポッポッ~と楽しい雰囲気で声掛けをするとトイレに進んで行ってくれることが多くなりました。
Aくんの場合は、棚を駅に見立て、新幹線を出発することがきっかけで気持ちの切り替えが出来るようになりましたが、トイレへの意欲のスイッチはその子によって異なりますので、子どもが「楽しそう!」と思う声掛けをすることがポイントとなります。
<トイレの排泄で、一番大切なこと>
それは、子どもたちそれぞれのペースに合わせながら楽しいトイレタイムになるようにすることと、
さりげなく手伝ったりしながら、少しでも“自分でできた”という達成感を味わえるようにすること。
2歳ころは「自分のことは自分でやりたい!」という気持ちが強い半面、出来なかったり時間がかかるので手伝ったら、癇癪を起して最初からやり直し…という事もあったりしますよね。
この時期の大人のかかわり方は、子どもに何でもやってあげることではなく、自立を助けることが次へのステップにつながっていきます。
子どもの気持ちを受け止めながら、「自分で!」という気持ちを尊重して、選択肢を示したり、時間がかかっても、できる部分は任せて見守っていきます。
サポートが必要な時は「ひとりでできたね!」とまずは褒め、その後で「お尻のことろだけ少し、お手伝いしてもいい?」といった声かけをしてから、最後の仕上げを保育者やおうちの方が行うようにすると、子どものプライドを傷つけることなく、子どものやる気もUPしていきます。
「指先を使ってしっかりズボンをあげることができたね」など具体的にどのような点が良かったのかをしっかり伝えながら褒めてあげると、自己肯定感を高めることができ、うまくできなかった時でも「もう一度チャレンジしてみよう!」と前向きな気持ちを持てるようになれると思います。
トイレは一日にしてならずですね。
スモールステップで「自分でできた!」という成功体験を積んでいき、無理せず子どもたちのペースに合わせて楽しいトイレタイムにしていきたいと思います。
山野