幼児さんから「先生!粘土やりたーい」と声をかけられ、粘土遊びをしました。「なにつくる?」と尋ねると「私はねー手!」「僕はサイコロー!」と子どもたちで作りたいものを創作していました。
しばらくすると「せんせー、つくりたいものなくなっちゃった。なにかつくってほしいのある?」とAくん。
私は咄嗟に「んー…じゃあバス!バスつくろう!」と提案しました。Aくんは「バスね!わかった」と返事。
隣で聞いていたBちゃんも「私もつくるー!」とそれぞれ作り始めました。
私は「どうやってつくるのかな??」とワクワクしながら観察していました。
車や電車が大好きなAくんは「バスにはねー、掲示板があるでしょ!あとはタイヤにドア!!」とバスを思い浮かべながら粘土を多めに捏ねて、長方形の大きなバスに仕上げていきます。
タイヤも粘土を丸めて4つくっつけ、ドアや窓を描いていきました。
物作りが好きなBちゃんは「バスって長いからじゃあこうして…」とバスの形を想像しながら作っていきます。
粘土を細く伸ばして作っていくので「バスのどこを作ってるのかな?」と見ていると、棒状の粘土をくっつけてバスの骨組みから組み立てていきました。
残念ながら二人ともお迎えが来てしまい出来上がることはありませんでしたが自由な発想に驚きました。
車好きのAくんはバスの形を理解して、掲示板やタイヤなど実物を思い浮かべながら作っていきました。
Bちゃんはバスの形を想像し、支柱から作るというやり方をしました。二人ともやり方は異なりましたが、とても創造力が豊かで、色んな発想力が発揮されるところが子どもって面白いですよね。
創造力や発想力を育むには小さな子どものうちからが良いと言われています。
まずは好奇心を育てること。興味のあるものが広がることで新しい刺激にもなり、創造的思考力・発想力を鍛えることにつながります。自然の中や博物館などいろんな所に行くのもいいですね。
次に表現力を磨くこと。自分の考えを表現するために力を磨く必要があります。例えば自分の想いを表現できるように言葉に出してみる。子どもとの会話はとても大切ですね。
3つ目は考える習慣をつけること。何か疑問が湧いた時、「これなんだろう」と考え続けることで新しいアイディアが生まれてきます。間違えそうになってしまった時、つい先に教えてしまうことがあります。しかしそれでは考える習慣が身につかないので、子どもが考えて答えを出すまで待つことが大事です。
そして一番大切なのは失敗をすることです。一般的には悪いイメージがあるかもしれませんが、失敗をすることでチャレンジ精神が生まれてきます。失敗を恐れてしまうと正しい答えを求めてしまい、発想力が中々育ちません。失敗を恐れずにどんどん新しいチャレンジをしていくといいですね!
これらを実践することで創造力が身につき、子どもは成長と共に興味関心が広がります。
近頃は社会でも新しい発想力を求められるようになってきています。
「創造力」は「自分の考えや技術で、新しいものをつくりだす力」という意味があり、「発想力」は「さまざまなものを思いつくことができる能力」をさします。
子どもの興味関心を元にどんどん吸収されていく知識量。「もっと作ってみたい!」「もっとやりたい」という意欲から子どもたちは目をどんどん輝かせます。
今回もお題に沿って「どうやってつくろうかな」と考え、バスを想像して全く違う観点から二人とも個性的な作品を作りました。
また機会があれば子どもたちとお題に沿って作ったり、継続して作品を作り上げて行けたらいいなと思いました。
岡本