幼児組のお部屋にはトランプやUNO、オセロ、バルーンズ、レインボースネークなど…幼児組になったばかりののびのびさんにとっては魅力的なおもちゃがたくさんあります。
4月当初は新しいおもちゃへの興味や幼児組のお兄さんお姉さんが使っている物への憧れなどから、カードゲームを持ってきては「私は赤色の風船がいいな」「ミッキーかわいいね」などと言いながらテーブルの上に広げることを楽しんでいました。そのような遊び方をしていたのびのびさんでしたが、7月に入ったあたりから少しずつ遊び方が変わってきました。
先生や年上のお友だちと遊ぶことが好きなAちゃん。うきうき組の子がかるたや風船のカードゲームで遊んでいるのを隣でじっと見ていました。興味はあるものの、ルールがわからないからなのか一緒にやりたがる様子はありませんでした。
しばらく見るだけの日が続いたある日、Aちゃんから「先生、かるたやろう」とお誘いがありました。「読む人と取る人が必要だから二人よりもお友だち誘ったほうが楽しいよ」と伝えると、同じのびのび組のお友だちを2人誘ってかるたが始まりました。まだひらがなが読めないので、読んだ後にカードを見せながら「あ、だよ」などとひらがなを伝えて探しました。ひらがなに興味があったAちゃんは「これはAちゃんのAだね」と自分やお友だちの名前のひらがながあるとそのたびに教えてくれました。何度も先生とかるたをやっているうちにルールを覚えたAちゃんは、ほかのお友だちにも「読んでるカードは見ちゃだめなんだよ」「Bちゃんの近くにあるよ」とルールを教えてあげる姿も見られるようになりました。今では頑張ってひらがなを読んで読み手をやっています。まだ年上の子に混ざってかるたをやる姿はありませんが、ルールやひらがなを覚えてきたので一緒に楽しめる日は近そうです。
新しい遊びが好きなBちゃん。どきどきさんがやっていた風船のカードゲームに興味があり、じっと見ていました。こちらもルールがわからないからなのか一緒にやりたがる様子はありませんでした。
あるとき、ほかにも興味があったのびのび組のお友だち4人と風船ゲームをすることにしたようです。何度も様子を見ていたので、手元に数枚のカードを置くこと、真ん中にカードの山を作るところまではわかったようですが、そのあとの進め方がわからなかったようで「先生、これどうやるの?」と聞いてきました。ルールを説明しながらカードを配ったり、ゲームを進めていくと「次はC君の番だよ」「カード1枚ひいて」などと子どもたちだけで声を掛け合うようになりました。Bちゃんは風船のカードゲームが好きなので、先生やどきどきさん、うきうきさんがやっていると「入れて」と混ざって一緒に楽しんでいます。負けてしまっても最後まで席に座り、「先生、頑張って!」と応援してくれます。
3歳児頃から友達と生活する中できまりの大切さに気付き、守ろうとする力を身につけていきます。まず初めに物事にはルールがあることに気づき、なぜルールを守らなければいけないのかを考えます。
そしてルールを守って遊ぶことで遊びが楽しくなることを知り、社会性を身につけます。時には我慢することや悔しい思いをすることもあるでしょう。そのような気持ちを経験することも相手を思いやる気持ちに繋がります。また、かるたやトランプなどの遊びを通してひらがなや数字に興味を持ち、お手紙や点つなぎなどの遊びに発展していきます。幼児組になって4か月。初めての経験をたくさんしていろいろなことがで楽しめるようにサポートしていきたいと思います。
梅原