木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

おなじ気持ち(0歳児クラス・よちよち組編)

2022.09.09

入園して5か月が経った0歳児クラスのよちよち組のお友だちは、すっかり園生活にも慣れ、つかまり立ちが上手になったり歩き出したりと、日々いろいろなことが出来るようになってきています。
保育士の顔も覚え、担任以外の職員には人見知りをするお友だちまで出てきました。保育士との愛着関係も築け、情緒的な発達、身近な人と他の人を区別することが出来るようになった認知能力の発達も見られています。
人の顔を判別するという点においては、大人だけでなく、クラスのお友だちの顔も覚えてきたよちよちさん。

朝お友だちが保育室に入ってくると嬉しそうな顔をしたり、園外でクラスのお友だちに会って嬉しそうな顔をしていました、なんてお話を保護者の方から聞きました。まだ1歳になったばかりの子でも、お友だちに会える嬉しさというのは私たちと同じなんですね。

 

先日、お部屋遊びをしていた時のことです。
この時期の屋外は危険な暑さで、水遊びを含む戸外活動もなかなか思うようにできません。毎日、温湿度計を見ては「今日も水遊びできないね…」なんて会話をよくします。この日も水遊びを断念し、お部屋で玩具を出して遊んでいました。
お部屋の玩具の使い方も上手になってきたよちよち組のお友だち。ご機嫌にペットボトルマラカスを振ったり、集中して穴落としに取り組んだり、エプロンなどの布玩具も保育士に着けてもらって満足そうにしています。

手先遊びが大好きなAくんと穴落としを楽しんでいると、Bくんが最近習得したてのよちよち歩きを披露しながら近づいてきました。
初めは使いたい玩具があるのかな?と考えていましたが、Bくんが指しゃぶりをしながらもう片方の手に持っていた携帯の玩具をAくんに差し出しました。その玩具に興味を持ったAくんは、穴落としをいったん中断して手を伸ばします。Bくんはそのまま携帯をAくんに渡しました。
すると、Aくんはまるで電話をするように耳に携帯を当て始めました!
それだけでも驚いたのですが、耳に携帯を当てたAくんはそのままBくんの顔を覗き込んでニコニコと笑い始めました。それを見たBくんもAくんの顔を見てニコニコと笑い始めます。
しばらく二人でニコニコと笑って満足したのか、またそれぞれの遊びに戻ります。
きっと二人の中で、「一緒に遊んだ」という感覚や意識はないと思いますが、この数秒は紛れもなく「一緒に遊んだ」時間だなと感じました。それと同時に、大好きなお友だちと一緒に笑いあうという時間が0歳児にもあるのだなと嬉しくなりました。

 

子どもは、大体10ヶ月頃から他者の気持ちがわかるようになると言われています。
「共同注意」と呼ばれ、お母さんが見つめているものを「なんだろう?」と一緒に見る姿などから始まり、そこから、視線や指差しを利用して気持ちの共有を図ったり声や動作で喜びや悲しみなどの感情を伝えようとします。
成長と共に広がってきた視野の中に周囲のお友だちを認識し、ほかの子がやっていることに興味を示したり一緒に笑いあったり、そんな姿が保育園で見られたということが子どもたちにとって保育園や周りの子は自分の気を許せる場所、存在になったのだなと感じました。
1歳になるにつれだんだん遊びの幅が広がり、一人遊びから同じ遊びを共有するようになり、2歳にかけてごっこ遊びなどが盛んに展開されていきます。この日のワンシーンは、まずはお友だちと楽しい気持ちを共有するというこれからの遊びの広がりにつながる大事な一瞬だったのではないでしょうか。
お家ではなかなか月齢の近い子どもと一緒に遊ぶことは難しいと思いますが、保育園でたくさんのお友だちや大人との関わりを通して心も体もどんどん発達していく様子を見守っていきたいと思います。

平塚

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