木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

貸~し~て(0歳児クラス・よちよち組編)

2022.09.30

暑い夏も終わり、散歩に出掛けたり、戸外遊びを楽しめる日が多くなりましたね!
先日、久々に園庭遊びが行えたので、よちよち組全員で外に出ました。伝い歩きの子は器用にテラスの段差を支えにして歩いたり、ハイハイをして移動する子はテラスの上を行ったり来たり…。また、歩行が安定してきたお友だちは靴を履いての移動も上手になり、縦横無尽に園庭内を散策し始めました!

そんな楽しい園庭遊びの際に、途中で先生がコンビカーを出してみると、Aちゃんが真っ先にコンビカーの存在に気付き、一目散に走って取りに行きました。

最初は跨ることなく、ハンドルの真ん前に立ち、ハンドルを持ってズリズリと引きずっていましたが、先生たちが「Aちゃん、お椅子に座って、足で蹴ってごらん?」とジェスチャーを交えて教えてみると……なんと上手に乗りこなすことが出来たんです!!
「Aちゃんすごーい!上手ーーー」と声が上がると、「ふふっ、すごいでしょ?!」といった表情で笑顔が止まりませんでした( ´ᵕ` )
その後は上手にコンビカーを乗り回し、園庭中を走り回っていました。

徐々に周りのお友達もコンビカーの存在に気付き、Aちゃんが乗っているコンビカーを触りに行くのですが、Aちゃんは「これは私が今使ってるの~!!!!!」と言わんばかりの声を上げ、急いで逃げていきます。
Aちゃんが別のおもちゃに興味が出て、スッと離れた瞬間に、Bちゃんがササッとコンビカーで遊びはじめました。
すると「私の持って行かないで!!」と、泣きながら返して欲しいことを訴えるAちゃん。
その際にコンビカーを引っ張って返して欲しいことを訴えていたので、「Aちゃん、貸~し~て~ってしてみようか?」と声を掛けると、泣きながらも貸してのジェスチャーを上手にすることが出来ていました!
「Bちゃん、Aちゃんが使いたいって言ってるんだけど、どうかなぁ?」と声を掛けると、気迫に驚いたのか、Bちゃんは何かを言うわけでもなく、その場を離れました。
Aちゃんは先生と一緒に「Bちゃん、ありがとう!」と、ペコッと挨拶をして、また颯爽と乗り始めて遊ぶことが出来ました。
Bちゃんのそばに行き、「貸してくれてありがとう。Bちゃんも使いたかったよね?こっち(もう1台)を使って遊んでくれる?」と言うと、ニッコリしてコンビカーで遊び始めました。
お互いがそばによると声を上げながら楽しむ姿がその後見られました!

この、何気無いやりとり、特に物の貸し借りは、遊びの中で友達とのやりとりから育っていきます。そのやりとりでも側にいる大人がそのやり取りの両方の子どもの気持ちを受け止め、代弁をして上手に貸し借りを何度も繰り返し行い、成功体験をしていくことが大切です。

保育者との愛着関係から始まり、その後に自分から周りの子と関わりを持とうとします。
保育者と、そして周りの子と関わることで一緒に遊ぶことの楽しさや喜び、安心感が得られます。毎日の物の貸し借りの中で保育者が肯定的な言葉、「まだ使いたいんだって」など子どもの気持ちを代弁し、気持ちの共有をお互いにしてあげることにより、相手と同じ気持ちであること、異なる気持ちであることがだんだんと理解していきます。そのような経験を通して、貸したらまた返してもらえることや、物の貸し借りをすれば子ども同士で楽しく遊べるということも覚えられ、徐々に上手になっていきます。

まだまだ生まれて1年とちょっとの0歳児クラスの子どもたち。大人が発する言葉の理解や相手の気持ちに気付くということは完全には出来ていません。子ども同士の物の貸し借りは日々行われており、そこからトラブルになってしまうことももちろんあります。Bちゃんもこの時はすぐに貸して(今回はその場をはなれました)くれましたが、本人の気持ち次第で毎日快く貸してあげることは難しいことだと思います。
しかし、それでも繰り返し伝え、経験していくことで、これからの長い保育園生活、そして学校生活でお友だちとの関わりにとても大切な事だと思っています。

難しいことかもしれませんが、保育者が、そして大人が子どもの気持ちを代弁してあげることで気持ちよく、楽しく毎日が過ごせると良いですね。

 

豊田

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