さわやかな秋の風が吹いて、お散歩に良い季節になりました。すくすく組さんは、お散歩や室内でもお友だちと手を繋ぎながら歩いたり、お友だちと一緒に同じ遊びをすることで、より楽しさを共有し笑顔が沢山見られるようになっています。
その反面、自我が芽生え「自分でやりたい!」という意欲が出始め、周りの人、友だち、自然、動物などへの興味関心が高まっていく中で、同時に拒否する意思も生まれ、言うことを聞かない「イヤイヤ」もあります。
また、自己主張する姿も見られるようになり、子ども同士でも思い通りにいかずイライラしたり、大人とぶつかりあうことがあったりと難しい時期でもあります。
1歳児は、歩行の確立と共に指先の機能が発達し、食事や着脱など身の回りのことを自分でしようとします。また探索活動をするようになったり、自我が芽生え、自己主張も盛んになります。これらのことを踏まえた上で、一人ひとりの心身の状態を把握しながら、発達の援助を行うことが必要とされます。
少しずつ身の回りのことから一人でできることを増やしていくことができるように、また、少しずつ遊びや生活を通して社会性を身につけていくことができるように、日々保育を行っています。
こんなことがありました。
Aくんは、着替えの際に、保育者に「ズボンは自分で履いてみようね」と促されますが、思うように足が入っていかず、泣いてしまうことが度々ありました。まだ難しいかな?と思い、しばらくやっても出来なかったら保育者が最後まで履かせていました。
そんな日が何日か続いていたときに、私がAくんとおままごとコーナーで一緒に遊んでいると、遊び用の靴下を履こうとしていました。しかし、なかなか上手く履けません。何回かやっているうちに、私に靴下を差し出してきたので「この靴下を履きたいんだね!」と言い、私はAくんの頑張りを認めて、履かせることにしました。
しばらく遊んでから、脱ごうとしたときに「脱ぐのは自分でやってみようね」とやり方を見せながら手伝うと、真似しながら少しずつ脱いでいました。
最初は、指先が思うように動かなかったり、どうしたら上手く脱げるかもわからないようでしたが、それでもやめようとはせず、少しずつがんばっていました。
私も「すごいね!上手だね。もう少しだよ!」と励まし、一人で最後まで脱ぐことができました。
両足の靴下を脱ぎ終わった時は、ちょっと自信に満ちた表情をしていました。
それから、A君は靴下を履いて遊ぶことが、多くなり、また脱ぐときは、保育者に援助されなくても日に日に上手になっていきます。
そして、ここ最近ではズボンの着脱も自分で最後までできるようになってきました。
あんなに泣いていたAくんが、ズボンに両足を通し、両手で引っ張り、力を入れて引き上げ上手に履けていた時はびっくりしました。
クラスの中でも、個々によって月齢や性格、発達の差もあるので、この子にはどういう援助をしたらいいかな?と常に考えながら、楽しく出来ることを増やせるように保育をしています。
「できた!」と達成感を味わう子どもたちの表情は、とてもキラキラしています。日々の積み重ねが力となり、少しずつできることが増えると、ますます成長が感じられ子どもも保育者も良い刺激を受けて笑顔になります。
これからも、子どもたちに寄り添いながら見守り、励まし、自立への一歩を踏み出せるように関わっていきたいと思います。
堀米