夏のある日のるんるん組での様子です。
頭を寄せ合って、子どもたちは何をしていると思いますか?正解は…
クワガタムシを観察していました。
保育園のそばにクワガタムシがいたのを職員が見つけ、るんるん組にプレゼントしてもらった日から日々欠かさずに観察している子どもたちです。
クワガタムシという存在はお部屋にある絵本や図鑑を見ていて知っているようでしたが、本物を間近で見る機会が今までの園生活でなかったので「まっくろでツルツルだね」「なんでゼリーをたべるの?」「つのギザギザしてる」「目はどこにあるの?」などなど…イラストと本物の違いを口にしながら観察をしている様子が見られました。
また、絵本に出てくるクワガタムシはカブトムシと戦っているシーンがあり、子どもたちはクワガタムシ=かっこいいというイメージがついているようです。Aちゃんもクワガタムシが出てくるページを開いて絵本を持ってきてくれました。
しかし実際のクワガタムシは夜行性のため、みんなが観察する日中は葉っぱの下でスヤスヤとお昼寝しています。その様子を見て「なんでうごかないの?」とガッカリするAちゃん。
『夜行性って言って、クワガタムシはみんなが寝ている時に遊ぶんだって』と伝えると「そうなんだぁ〜」と新発見。次の観察から「ねんねしてるからしずかに!」とそぉーっと覗き込むようになりました。
興味関心の幅がどんどん広がっていく2歳児クラスでは、絵本以外にも昆虫や恐竜の図鑑といった難しことがたくさん書いてある本も並べています。図鑑はイラストがいっぱいあるので文章は読めなくても子どもたちにとっては十分楽しいようです。
絵本や図鑑に出てくるイラストはもちろんのことですが、動きません。飛んでいたり木の蜜を吸ったりなどクワガタムシがどのように動いて何をたべるのかというのは絵本のお話や図鑑のイラストを通して知っていたようです。
しかし最初の方にあった子どもたちの「目はどこにあるの?」「なんでゼリーをたべるの?」という質問は本物のクワガタムシを観察しなければ気づかない反応です。様々な新発見をすることができたるんるんさんでした。
そして「ブンちゃん」といつ名前もつけてあげ、さらに愛着が湧いています。
夏の終わりにやってきたクワガタムシだったので長生きしないのではないかと思っていた担任一同でしたが、想像以上に頑張っていて10月中旬まで長生きしています。
肌寒い季節になってきたある日の朝の会で子どもたちに、ブンちゃんがずっと虫カゴの中にいるのはかわいそうだから逃してあげたいことを伝えると快くいいよ!と言ってくれたので、公園へ行きブンちゃんの好きそうな木をみんなで選び、最後にみんなでバイバイと手を振ってお別れしました。
木にしがみついているブンちゃんを名残惜しそうにしばらく眺めていたるんるんさんでした。
今回の生き物の観察を通してクワガタムシについて詳しくなった子どもたち。興味関心の幅もさらに広がったように感じます。本物の生き物からしか知ることができない事もあるんだな…と私たちも改めて知ることができました。また生き物を育てる機会があったらなんの生き物にどんな反応をするのか、楽しみにしたいと思います。
山田