最近「手を繋ぐ」ことがブームの子どもたち!
散歩に出掛ける時は、2人組で仲良く手を繋いで歩いています。誘うのも上手になってきて、今では「○○ちゃん、手繋ごう~」と笑顔で話しかけ繋ぐペアを自分たちで決めています。
この日は散歩をして公園に行く予定でした。
今回のブログは、支度を済ませ玄関で靴を履いた後、子どもたちに「誰と手を繋ぐ?」と声をかけてペアを決めてもらっていた時にあった出来事です。
Aちゃんの「やぁだ!手、繋がない〜」と大きな声が玄関に響きました。
私は同じ目線にしゃがみ、まずはAちゃんに気持ちを聞いてみました。
私「どうしたの?」
Aちゃん「手、繋がないの〜」
私「手、繋ぎたくないんだね。」
Aちゃん「繋がないの〜」
私「そっか、手を繋ぎたくないんだね。道路は、車や自転車が来るから手を繋いで歩かないと危ないね。どうする?」
Aちゃん「やぁだ、繋がないの〜」
私「そっか。手を繋ぎたくないんだね。手を繋ぎたくないなら、先生とお留守番でもいいよ。保育園の中なら、手を繋がなくても危なくないからね。Aちゃんはどうしたい?」
少し時間を置いて考えてから…
Aちゃん「ちがう!違うの!」
私「違うんだね。何が違うのかな?」
Aちゃん「(言葉を探りながら…)Bちゃんと繋ぐの!」
私「AちゃんはBちゃんと繋ぎたかったんだね」
Aちゃん「うん」
私「じゃあ『Bちゃんと繋ぎたい』って話してくるのはどう?」
AちゃんBちゃんのところへ行き「Bちゃん手繋ぎたいの」と伝えることができました。
Bちゃんへ気持ちを伝えられたAちゃんでしたが、Bちゃんは他の友達と手を繋いでいました。
私「みんなで相談しようね」
ようやく、話し合う入り口にたどり着くことができました。
話し合いの結果、BちゃんはCちゃんと手を繋ぎたいとのことで、行きは残念ながらBちゃんと手を繋ぐ事が出来なかったらAちゃんですが、帰りはBちゃんと手を繋いで帰る事が出来てとても嬉しそうでした。
Aちゃんの「やぁだ」の中には、Bちゃんと手を繋ぎたいという気持ちが隠れていました。今回の出来事を通して、子どもたちの「やぁだ」の奥に隠れている本当の気持ちを対話の中から丁寧に引き出しいくことの大切さを改めて感じました。
2歳児は語彙数が急増し話し言葉が豊かになってきますが「嫌」「違うの!」と感情だけを主張し、自分の気持ちをうまく言葉にできないことも多く見られます。そんなときは、子どもの気持ちを受容しながら、本人の気持ちや言葉を引き出すよう心掛けています。気持ちをうまく言葉にできないときには「〇〇したかったのかな?」と気持ちを代弁します。
こういったやりとりを重ねていくうちに、こうやって伝えればいいんだ!と理解が進み、言葉として相手に伝えられるようになっていきます。また伝え方だけではなく、やりとりの中から、自分の気持ちを押し通すだけではなく、相手に合意を得ることの必要性も理解していきます。
集団生活の中で子どもたちは、相手の話を聞くだけでなく、自分の気持ちを言葉にして伝える場面が今回紹介した散歩の手つなぎ以外にもたくさんあります。自分の気持ちを言葉で伝え、それが相手に伝わって楽しく遊ぶことができたり、時には相手と同じ気持ちではなく悲しい気持ちになることも経験していきます。
トラブルが起きたときに話をしても感情が高ぶりから自分の気持ちを言葉として表現できないこともあるので、普段のやり取りの中で言葉で気持ちを伝えることの大切さを伝えていきたいと思います。
山野