園庭にてコンビカーで遊ぶ1歳児のA君。
普段はまたがって足で漕いで遊んでいるのですが、この日は雨上がりで園庭が乾いていたとはいえ園庭のコンディションはあまりよくなく、園庭の少し窪んだところにタイヤがはまり転倒してしまいました。
大丈夫かな?と思いながら見ていると、何食わぬ顔で起き上がりました。私は再びまたがって足で漕いで遊ぶのかなと様子を見ていました。すると、A君はその転倒した車を倒れたままタイヤを手で回し始めました。
カラカラと音が鳴るのが楽しいのかな?と思ったり、タイヤの砂が落ちていくのが楽しいのかな?と思ったりしながら見ていました。
ところが、しばらくすると同じ方向だけではなく、前後に回してみたり、緩急をつけて回してみたり、いろいろな回し方をしていることに気がつきました。
さらには、ハンドルを動かすとタイヤの方向も変わることに気が付き、自分で操作すると動きに変化があることを楽しんでいる様子でした。その後A君は少しの間この『仕組み』を楽しんだ後、またコンビカーに乗って普段のように足で漕いで走っていきました。
子どもの探究心の高さは大人が思っている以上で、我々大人は子どもの何気ない行動に注視していると子どもなりに色々試していることが多いことに気が付きます。他角度から子どもの行動を見ていると、それらの行動は子どもなりに意味づけられていることがほとんどです。
このケースでは、転倒したことですぐに声をかけてしまったり、タイヤを回して遊んでるのか、と断片的に見ているだけでは気が付けなかったと思いました。
日常生活において、何気なくしている行動に目を向けることで、その子の新しい一面を日々発見することができます。その発見をもとに、さらにどんなことをしたらその気づきが発展していくのか大人が考え仕掛けていくことで、どんどん世界が広がっていくのではないかと思う場面でした。
中平