公園で見た子どもたちの不思議な行動。誰が教えたわけでもないのに、みんな同じことをしているのです。それはもれなくみんな”木の棒を片手に”公園を散策しているということ。
はじめはこちらも気にもしていなかったのです。子どもが木の棒を持っている姿はよく見かけることですし、あまりに自然なことでしたので。
でも1歳児の子ども。公園で遊んでいる最中にお友達が持っているのを見て「わたしもほしい!」と思い行動する姿が特別多く見られる年齢でもありません。それに木の棒を拾うのは各々が散策して見つけては拾うのですから。そして片手に1本、もしくは両手に2本、10センチほどの丁度いい長さ、太さの木の棒を握って歩き回っています。
木の棒の何がそこまで子どもを惹きつけるのか、私も気になって一緒になって木の棒を持ってみました。ただ、木の棒は木の棒。持っただけでその良さを理解しきるのは難しいですね。
そこでもしかしたら子どもたちは木の棒を使って何かしているのかも!と思い、子どもが何をしているのか観察してみました。
まずやっていたのは、木の棒を使って木の幹をツンツンすること。たしかに、指で触るのとはまた違うガリガリ感がありますし、指では入らない木の隙間に入れたり、木の幹に跡をつけたりできますし、棒を使うことで、できることの幅がぐんと広がりますね。
次にやっていたのは、木の棒でカンカンと遊具を鳴らすこと。たしかに、楽器のように遊ぶことができて面白いですね。
そしてほとんどの子どもがやっていたのは、”握っているだけ”。使わないのかい…?
でも新しい木の棒を見つけると、今持っていた木の棒を呆気なく手から離し、新しい木の棒を手にします。こちらとしてはどんな違いがあるのかわかりませんでしたが、その子にとってはきっと全然違ったのでしょう。
その姿から子どもたちがもしかしたら落ちていたものを拾うことで、自分のものになった!という喜びや、発見した嬉しさなどを感じているのではないのかと思いました。
皆さんにも一度や二度経験があるかもしれません。石やどんぐりを収集して、「おうちに持って帰る!!」と手放したくない気持ちになった経験が。
“何でもなかったものを、自分の意思で自分の大事なものにする”
この経験を積む中で、自分のものと人のものを区別する力が身に付いたり、大事なものとそうでないものの区別を自分でつける力が身に付いたりと、私たち大人が何気なくやっている力が身に付いていくのかもしれません。
そして木の棒を握っていたのは、そんな成長の証なのかもしれません。
何でも持って帰られると大人としては置いて行ってほしいな…と思いますが。。。
そんな気持ちを抱えつつも、子どもが見つけたことに対して一緒に喜び、その子にとってその物のどんなところがいいのだろう?と考えながら関わっていけたらいいな、と思った公園散策でした。
池田