2歳児クラスのブロックで遊ぶことが大好きなAさん。ブロックで遊び始めたばかりの当初は一人でイメージしているものを組み立てることが難しく、大人に「作って!」というジェスチャーなどでアピールをしていました。その都度Aさんと一緒に『こうしようか?』『どこにくっつける?』など大人が作るスタンスではなくあくまで補助という形で作っていました。
お話が上手になってくると具体的に消防車作ってなど言葉で伝えられるようになってきたので、『消防車のタイヤどれにしようか?』などと少し具体的な会話のやりとりをしながら一緒に組み立てていました。
7月に入り「そういえば最近、〇〇作ろう」などの声がないなと思っていたのですが…ふとAさんを見てみると、一人でブロックを組み合わせて長い棒状のようなものを作っていました。大人が『それは何を作ったの?』と問いかけると、その棒の先を床に滑らせながら歩き、ニコニコ顔をこちらに向けるとまたもとのように歩いていきました。その遊びがひと段落するとこちらを見ながら『掃除機作ったの』と教えてくれました。
子どもの興味・好奇心から湧き出すエネルギーは子どもの観察力を高めていくのだなと感じました。また、イメージしたものを今回は井形ブロックという形でしたが、その表現力も発達してきているのだと感じました。
この遊びの背景としては二段階のステージがあると思いました。
第一段階として、身近にあるものをイメージする力
第二段階として、それを表現する力です。
まず第一段階、イメージするためには小さいころから探求を通して様々な体験をすることが必要です。信頼できる大人が側にいることで安心感を得て様々な世界に触れていきます。時折大人が困るようなことをしてくれることもありますが。たくさん探求させてあげられたらなと思います。
次に第二段階、表現する力です。表現の仕方はそれぞれ子どもによって違いますが、出来たことを一緒に喜んだり、助けを求めた時には少しだけサポートしたりして、出来ることが増えていきます。さらにこのような成功体験を通してさらにチャレンジしていく機会が増え、今まで以上にできることの幅が拡がっていくのではないかと思います。それが土台となってこのような形になったのではないかと思います。
これからも、様々な体験ができるような環境を考え、成長、発達を子どもとともに喜んでいきたいです。
中平