ハイハイをしているよちよち組のAくんが見つけたもの。
それは一定の長さに切られたホースと穴の空いたタッパー。
今までおもちゃを舐めて遊ぶことが多かったAくんが、そのホースを手に取り、タッパーに空いた穴にホースを入れようと奮闘しています。
ハイハイの姿勢だとやりにくいよなぁ…
そう思い、そっとお座りさせてあげると、無事に穴にホースを入れることに成功!!
次のホースをまた手に取り、再チャレンジしていました。
ほほえみ保育園では、
このオモチャを「穴落とし」とよんでおり、ホースの他にもペットボトルの蓋をつなげたもの、チェーンやタグ等落とすもの等、数種類用意しています。
タッパーの穴も、大きかったり形が違ったりしている、手作りのオモチャです。
よちよち組のお友だちだけでなく、すくすく組のお友だちも、このオモチャで集中して遊んでいます。
全部入れ終わると、タッパーの蓋を開けて、と持ってくる子もいますが、自分で蓋を開けてもう1度チャレンジしている子もいます。
ただ、穴にものを落とすというだけのオモチャが、子どもたちの何をこんなにも魅了するのでしょうか…
物を穴に落とすには、目と手を連携させて動かす事が必要です。 何度も穴落としをくり返すことで、目と手の協応動作がうまくできるようになっていきます。
また、穴に物を入れる時に、向きを考える必要があるため、物の形を認識し、どうすれば穴に落とせるのか考えるようになります。
更に物の形と穴の向きを合わせるには、手首を動かして向きを調整することが必要です。
穴落としを繰り返すことで、手首がうまく使えるようになります。
このような発達を促すのに最適な穴落とし。
先程、数種類の穴落としを用意している、とご紹介しましたが、
子どもたちの様子を見ていると、集中するもの・しないものがあることに気付きました。
それは、自分の発達よりも難しすぎるものに取り組んでいる時です。
チェーンの穴落としは、チェーンが揺れてしまうため、穴に入れるのは難易度が高めです。
それを、ホースの穴落としに興味を持ち始めたAくんに渡すと、チャレンジしようとすることはあっても、すぐに諦めて違うもので遊んだり、チェーンを舐めて遊び始めてしまいます。
同じよちよち組のお友だちでも、ホースやペットボトルの蓋の穴落としを存分に体験したお友だちは、タグやチェーンを渡した時に、どうやって入れようか奮闘しながらも集中して遊んでいるのです。
子どもは、自分の発達よりもちょっと難しいもの、頑張れば乗り越えられるようなものに出会った時に、より集中して遊びこめるのでしょう。
子どもたちが挑戦したくなるようなもの、そんなオモチャや環境を用意していけるよう、子どもたちの発達をしっかり見ていきたいと思います。
早野