先日、幼児組で夏野菜をテーマに食育を行いました。「見て知ろう!夏野菜クイズ」というものを行い、夏野菜にはどんな種類や特徴があるのかなどを答えてもらいました。拡大した野菜の写真を見せて、何の夏野菜かを答えてもらいました。例えば、「切ると中からゼリーみたいなのが出てくる、赤くて丸い野菜はなんだ?」と聞くとみんなで声を合わせて「とまとー!」と答えてくれました。「さわるとつるつるしていて、紫色で、中は白い野菜はなんだ?」と拡大写真を見せながら問いかけるとこれも元気に「なすー!」と答えてくれました。中には、「わたし、なすきらーい」と言う子もいました。
「触って知ろう!夏野菜クイズ」では、中が見えない箱の中に夏野菜を入れ、手を挙げてくれた子に箱の中には何が入っているかを当ててもらいました。第1問では、箱の中になすを入れ触ってもらいました。「どうかなー?つるつるしているかな?」と聞くと「つるつるしてて、なんかかたいところがある」とAくんが教えてくれました。次にBちゃんが触りました。「とげとげしているところがあるよ!」と教えてくれました。AくんとBちゃんのヒントから箱の中には何が入っているかをみんなに考えてもらいました。「せーの、なすー!」と答えてくれました。答えが分かった後は、みんなになすを触ってもらいました。両手で形を確かめる子や匂いを嗅ぐ子など様々な様子が見られました。
第2問では、箱の中にピーマンを入れ触ってもらいました。Cちゃんが触りに来てくれました。「どうかなー?どんな感じかな?」と聞くと「…」と黙ってしまいました。「しまった、具体的に聞かないと答えづらかったな」と思った時、黙っていたCちゃんが絞り出すように「なんか、うーん…、へにょへにょしてる~」と教えてくれました。私は、「へにょへにょ?やわらかいのかな?次はDくん触ってみて!」と言い、Dくんに触ってもらいました。Dくんは、自分の手より大きいか小さいかを聞かれ、小さいと答えてくれました。箱の中の正解はピーマンでした。箱の中からピーマンを取り出し、みんなに見せた時に気が付きました。Cちゃんは、やわらかさではなく、触ったときに感じたピーマンの曲線を「へにょへにょ」と表していたのでした。私は、「へにょへにょ」はやわらかさを表す言葉だと思っていたので、Cちゃんがそのような表現をしたことに衝撃を受けました。
自分の中にある言葉の中から一生懸命に考えて、「へにょへにょ」を絞り出したのだなと思いました。そのことから、こういった形にはこの言葉だな、これを表すにはこの表現だなと固定概念に縛られていたのではないかと私は思いました。今見たものや今感じたことを決まった言葉や表現に当てはめて考えてしまっているのではないかと思いました。それでは、今見たものや今感じたことを正しく受け取れていないのではないかと思いました。
決まった言葉や表現だけで物事を受け取るのではなく、Cちゃんのように今どのように感じているのか自分の中の言葉に耳を傾けることが必要なのではないかと思いました。そのためにも子どもの目線に立ち、子どもに寄り添い、今を共に感じることが大切なのだと感じました。
太田