木月ほほえみ保育園のブログ「そこはっ!ほほえみっ子」

ちいさなせんせい(給食編)

2024.07.26

私が幼児組のみんなと一緒に給食を食べた時のお話です。
ある日の給食では、デザートにヨーグルトが出ました。幼児組さんはヨーグルトが好きな子が多いようで、「はやくごはんをたべないと、デザートをたべるじかんがなくなっちゃう…!」と頑張って食べ進めていました。

「(時計の長い針が)4までにたべるんだよ!」と私に教えてくれた子もおり、どのくらいのペースで食べ進めたらデザートが食べられるのか、時間配分を考えながら食べ進めている様子が見られました。ご飯を食べ終わり、「おさらピカピカ?」と私に見せてくれる子どもたち。「うん、キレイにあつまれできてすごいね!」と私が答えると、「ヨーグルトたべる!」と言いました。

いよいよお待ちかね、デザートのヨーグルトの時間です。テーブルで2,3人ほどがヨーグルトを食べ始めた時、少し遅れてAちゃんもご飯をすべて食べ終わり、ヨーグルトを食べ始めようとしていました。ところが、ヨーグルトのカップのフタをなかなか開けることができません。「あかない…」と言うAちゃんの声が聞こえ、私が開けてあげようとした時、隣に座っていたBくんが「ぼくあけられるよ!かして!」と言ってAちゃんのヨーグルトのフタを開けてあげました。「ありがとう」とAちゃんが言うと、「どういたしまして」とBくん。すると今度はCちゃんが「わたしもあかない…あーけーて」とBくんにお願いし、「いーいーよ」とBくん。「ありがとう」、「どういたしまして」のやり取りの後、みんなでおいしそうにヨーグルトを食べていました。

またある日の給食の時間、Dちゃんが私に、「このもちかた、あってる?」と、スプーンを持ちながら私に尋ねてきました。見てみると、人差し指の下に中指も薬指もくっついており、本人も少し持ちにくそうにしています。「鉛筆みたいに持つんだけど…鉛筆の持ち方はわかる?」と答えましたが、(上手く伝えられていないな)と感じ、私が使っていたお箸をスプーンに見立てて持ち方を見せました。

しかしそれでも、お箸とスプーンの視覚的な違いからか、正しい持ち方がDちゃんに伝わりません。手元には箸しかなかったので、どうやって正しい持ち方を伝えたらよいかなと思案していたところ、隣に座っていたEちゃんが「こうやってもつんだよ!」と得意げにDちゃんに見せてくれました。Eちゃんは正しいスプーンの持ち方ができていたので、「そうそう、DちゃんもEちゃんの真似して持ってみようか」と声をかけると、DちゃんはEちゃんの持ち方をまじまじと見てから、もう一度スプーンを持ち直して、正しい持ち方で持つことができました。「上手に持てたね」と言うと、DちゃんもEちゃんも晴れやかな笑顔を見せてくれました。
保育園での子どもたちは日々、お互い支え合って集団生活を送っています。自分の得意なことやできることで、困っている子を助けてあげることができています。その様子はさながらちいさなせんせいのようです。

今回の経験で、大人がなんでも手伝ったり教えたりしなくても、子どもたちだけで協力して乗り越えられることがたくさんあるということに気づきました。子どもたちだけでもできることと、そうでないことを見極めながら、これからも見守っていきたいと感じました。

石垣

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