木月ほほえみ保育園では、2歳児のるんるん組さんと3~5歳児の幼児組さんに対して月に1度程度、給食時間中の食事指導とは別に食育指導の時間を設けています。この時間では、子どもたちに食に対する興味関心を持ってもらえるよう、例えば旬の野菜についての話や、三食食品群とそのはたらきについての話など、毎月様々なテーマで食育指導を行っています。
幼児組さんにて、「お米とエネルギー」について食育指導を行った時の話です。どう話を進めていこうか考えていた時に、はたらく車が好きな子がいると担任から聞き、田植えの際に活躍する田植え機と、稲の収穫の際に活躍するコンバインという2つのはたらく車の写真を、話の導入に使うために用意しました。
当日、「お米はどこでつくられるか知ってる?」と聞くと「田んぼ!」と何人か元気に答えてくれました。「正解!田んぼ見たことある?」と聞いてみると、ほとんどの子は実際に見たことはなく、「ある」と答えてくれたのは4、5人ほどでした。次に、「田んぼはとても広いので、お米の苗を植えるのにはたらく車の力を借りることがあるよ」と話しながら田植え機の写真をみんなに見せました。田んぼすらほとんどの子が見たことがないので、きっと知らないだろうなと思いながら、「このはたらく車、名前知っているかな?」と聞いてみました。すると、「わからない」、「はじめてみた」という声があがる中で、一人ぼそっと「たうえきだ」と答えた子がいました。Aくんでした。「すごい!じゃあこっちも分かる?お米の収穫の時にはたらく車だよ」、とコンバインの写真を見せると、「コンバイン」とまたまた正解です。「すごーい」、「乗り物博士だね」とお友だちや担任の先生に褒められて、Aくんは少し照れつつも嬉しそうにしていました。子どもの、好きなものに対する興味関心の強さや、知りたいと思う気持ちは想像以上に凄まじいものなのだと、私は少し反省しました。
普段子どもたちが聞かせてくれるお話でも、家族で行った水族館で見たという、私の聞きなれない名前の生き物のことであったり、○○駅からは△△線と◇◇線と□□線に乗り換えられるんだよ、といった電車の路線の話だったりと、とても詳しく知っているなと感じる話をしてもらえることも多く、本当に好きで、好きなものを知ることが楽しい!という様子が強く伝わってきます。また、私が給食や食べ物の話をした後には、「じゃああれは?」、「こっちは?」、「ぼく☆☆っていうのもあるって知ってる!」などと、とても興味を持ってもらえて嬉しく思うこともあります。これからも子どもたちにとって、聴いていて楽しい、おもしろい、もっと知りたいな!と思ってもらえるような食育指導を行っていきたいと思っています。
石垣