短すぎる秋が終わり、気づけばすっかり冬になってしまいました。るんるん組では、子どもは風の子、と言わんばかりに毎日の朝の会で「今日は公園行く?」「今日はどこにお散歩行く?」と期待に胸を弾ませています。
また、憧れの幼児組への移行も控え、片付けを率先して行ったり、お家でもママやパパのお手伝いを頑張ったりとお兄さん、お姉さんへの憧れやこれから自分たちがかっこいい幼児さんになるんだ!という気概を感じられます。
その中でも、日々挑戦し続けているのがジャンパーの着脱です。
帽子はすっかり自分で被ることができるようになった子どもたち。朝の会を終え、トイレに行ったらまずは帽子を被ります。自分の顔写真が付いた上着かけからジャンパーを取り、いざ袖に腕を通します!
すると、そこからが難関です。ジャンパーをしめるには、多くがチャック、ボタン、スナップです。
それらを自分の力でクリアすることは、るんるん組の子どもたちにとっては容易ではありません。
チャックがかかったかと思えばまた外れてしまったり、ボタンが穴をくぐったかと思えば一つ下のボタンが外れてしまったり。
12月のとある日も、公園に行くためにAくんが帽子を被り、ジャンパーを着ようと奮闘していました。
何度も何度も外れてしまい、なかなか思うようにチャックが上がりません。近くで見守っていた職員もだんだんもどかしくなる中、いつもはある程度自分で頑張ったあと「先生やって~」と職員にお願いするAくんは、この日は一味違いました。
Aくんは大人を頼りたい気持ちをぐっと抑え、口を一文字に結びながら真剣なまなざしで挑戦しています。
何度も何度も挑戦し、そろそろ大人の出番かな?と手を差し出しかけたその時、カチッとはまり、チャックがスムーズに上がったのです!
「すごいAくん!自分でできたね!」と職員が喜ぶと、「Aくん自分で出来るもん!」とAくんがキラキラの笑顔で喜んでいました。「できた!」ではなく「できる!」と喜んだAくん。きっとこの日の経験が彼にとって成功体験となり、「自分でチャックを閉められる」という大きな自信に繋がったことと思います。
2歳児は「自分で!」という自我がどんどん出てくる月齢です。大人がやった方が早いのに…。少し手伝おうか?と忙しいときはついつい口出ししてしまいがちな私たち。ただ、子どもたちの「自分で!」には成長のチャンスが待っていました。
また、「できなかったら先生に言ってね、お手伝いするね」と一言声を掛けることも、困った時は大人を頼るという力をつけていく上で重要です。
この日のAくんの頑張りの裏には、「自分はお兄さんだからできるんだ!」という自信があったかもしれません。
そして実際に「できた」ことでますます自信をつけ、かっこいい、たくましい幼児さんにまた一歩近づきました。
できてもできなくても成長に繋がるチャンスのある「自分で!」には、「よーし、それじゃあやってみよう!」と子どもたちと一緒に挑戦していきたいと思います。