ひよこ組の子どもたちが入園してから、半年が経ちました。子ども達はたくさんの事を経験し、学び、そして成長しています。今一番、成長を感じられる姿は他児へ興味関心を持つようになった事だと思います。今までは、何をするにも、”ひとりで”もしくは”大人と”と行う事が多かったのですが、最近でははっきりではありませんが、友達の名前を呼んでいるような声が聞こえたり、泣いている子の姿を見つけると自分から近寄り、いつもと違う表情の友達をみて「なんだろう?」「いつもと違うなぁ」「泣いているなぁ」などというように、覗き込んだり、職員の顔を見るなどの周りに興味を持つ姿が多く見られるようになってきました。
もうひとつ驚いたのは、自分から友達の手をとり、そのまま一緒に部屋の中、廊下を歩いている姿を見た事でした。先日、午後おやつを食べ終わったAちゃんとB君はいつものように、保育室にそれぞれ戻ろうとしていました。すると、B君は自分から私の手を繋いできてくれました。そこで、近くでその様子を見ていたAちゃんに「Aちゃんも手繋ぐ?」と声をかけたところ「うん。」と頷き、B君の手を繋いでくれました。
以前は、手を繋がれてもその手を振り払っていたB君だったのですが、そのまま二人で仲良く手を繋いで、保育室まで戻っていました。それぞれ歩くペースが違うので、途中で転びそうになってしまう事もありましたが、お互い顔を見合わせながら、楽しんでいる様子でした。
運動会の予行練習などで、友だちと手を繋ぐ機会もあり、何度か行なっているうちに、楽しんで入場している姿や、自分から手を繋ぐ相手を探しているような姿も見られるようになってきました。
これまで、散歩の時や、保育室からレストランに移動する時に、職員と手を繋いで歩いていました。友達と手を繋ぐ事で、相手を思いやる気持ちが芽生えるように、また、友達と触れる事でより親密さが増し、安心しながらお互いの存在を認められるように働きかけていたところ、友達と手を繋ぐ事を嬉しく思う子が増え、このような姿に繋がり、とても嬉しく感じた場面でした。このような姿は、今後遊び・食事の面などで、“友だちと一緒だと楽しい♪”と言う気持ちが芽生え、遊びに対する意欲、食事への意欲も自然と芽生えてくると思います。子どもたちがそれぞれの存在を認め合い、共有することで更なる子どもたちの成長へと繋がっていきます。これからも子どもたちの成長の発見をたくさん見つけて行きたいと思います。
伊藤 翠