今日は寒くなっても元気いっぱいのあひる組のお友達のある日のお部屋でのひとこまをご紹介したいと思います。
あひる組では朝、お昼前、夕方を自由遊びの時間としてお部屋のおもちゃを使って子どもたちがそれぞれ思い思いの遊びを楽しんでいます。ある朝、登園してすぐに電車で遊びたかったA君が先に遊んでいたBちゃんに「電車かしてー」と話しかけました。Bちゃんもつなげて走らせることを楽しんでいたのでまだ貸したくない様子でした。そんな表情を読み取ったのか「かしてー!かしてー!」と段々と口調が強くなりおもちゃに手が伸びてしまいました。保育士が間に入りBちゃんに「まだ遊びたかったのかな?じゃあ【あとで】ってお返事してあげようね」と伝え『あとで』と答えるとA君はどうしてもすぐに電車が使いたかったのか怒ってBちゃんの手を叩いてしまいました。Bちゃんはけがはしなかったものの、泣いてしまいました。A君に「叩いたらいけない。ちゃんとお話ししよう。叩いたらBちゃん痛いよ。ほら(相手の子の表情を見せ)悲しいよ。」と話すとBちゃんを見ながら何かを考えているようでした。「ごめんねってしたらまた仲良しできるかもしれないよ?」と話すと『いやだ!』『ごめんねしない!』と頑なになってしまいました。しばらくA君の様子を静かに見守っているとすでに泣き止み再び遊びはじめているBちゃんや保育士をチラチラと気にしている姿が出てきました。「ごめんねするのに、先生、一緒に行こうか?近くで見てるよ。」と手を差し出すと『いく。』と言ってBちゃんにごめんねをしにいきました。Bちゃんの頭をなでたあとすっきりと嬉しそうに振り返り『ごめんねできたよ!!』と教えてくれました♪お友達と仲直りできたときの清々しい気持ちを思いだし私も嬉しく感じました♪
今まではそれぞれの好きな遊びに夢中になっていたのが、お友達の遊びにも、興味を示すようになり、楽しさを共有できるようになりました。
時には、使いたいおもちゃを中々借りることができずに口調が強くなりけんかになってしまうこともあります。そんなときには保育士が間に入り、互いの気持ちを言葉で伝える通訳のような役割をすることでその状況に納得できる子が増えてきています。
どんな気持ちなのか、何がしたかったのかなど、子ども自身が考えていることを聞き出し、言葉に変えていくことで、お友達と関わる時にどのように話せばよいのかがわかってくるのだと思います。友達と一緒に遊ぶ楽しさをより多く味わえるように、気持ちの通訳をたくさんしていきます。
小林 身佳子