木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「誰かと共感するための言葉」(ひよこ組編)

2013.11.23

   元気いっぱいのひよこぐみの子どもたちは、喃語と呼ばれるまだ言葉にならない音を様々な生活の場面で出しながら、言葉を獲得しようとしています。周囲の人たちの言葉を聞きながら、自分に話しかけられている人の音をじっくり聞きながら、それらの言葉の音や高さ、長さなどを身体を使って表現しています。先日、こんな場面がありました。
   昼寝から目覚めたAくんが立ち上がったものの、布団の柔らかさと、足の力加減が難しかったため、しりもちをドン、とつきました。一瞬、びっくりして目を開いたAくん。しかし、次の瞬間、すぐ横で寝転がりながら見ていたBちゃんは、立ち上がってしりもちをついて声を上げて笑いました。びっくりしていたAくんは、笑顔になり、また立ち上がりしりもちをつき「あっ、あっ」と言ったかと思うと笑い出しました。お互いに笑って、声を出しながらしりもちを繰り返しました。その声を聞いて近づいてきたCちゃんも、笑顔でそれを見ながら笑ったり「あー、あっ」と楽しそうに声を出しました。大人にはわからない間合いや、言葉(のような音)で、しばらく楽しんでいました。言葉が明瞭でなくても、通じ合える、共有し合えるのですね。
   一つひとつに、その子どもにとっての意味があり、声を出すことの練習や、誰かへの気持ちの伝達の手段として、発声しています。その子どもたちの声を、時には声にならない表情や動作を、子どもたちに関わる私たちは受け止め、共感し、必要に応じて友だちへ伝えながら関わることで、子どもたちの声や言葉というものは、彼らにとって、より意味を持つものとして積み重なっていくのですね。

和泉 正明

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