先日おやつの前にこんな光景が見られました。
私が子ども達の口拭きをお湯で濡らししぼっていました。すると、何も声を掛けていなかったのにA君が机にひとまとめに置かれていたエプロンを1つずつ取って椅子の背もたれに掛けていました。その姿を見た別の子ども達も、他のテーブルのエプロンを手に取って椅子に掛けてくれていました。普段保育士が椅子に掛けている事があり、それを見て自分でやろうという気持ちが芽生え、自ら手伝ってくれていたようです。
また、別の日にもデザートのヨーグルトを配るお手伝いをB君にお願いすると、同じグループのお友達に1つずつ配ってくれました。全部配り終えると「つぎは?」と言って自分が配ったという事にとても満足していたようでした。
少しずつ色々な事を理解し、身の回りの事も自分でできるようになってきたあひる組の子ども達。「自分で出来た」「誰かの為に何か出来て嬉しい」という気持ちから自信を持ち、自分の存在を確認しているのではないかと思います。その経験からどうやったらうまくいくのか?と考える力も身についていきます。
子ども達のお手伝いは、時間に余裕がない時には、大人がやった方が早いのに…と思う事もありますが、子ども達にとっては遊びと同じ事なのかもしれません。そう思うと、失敗しても上手くいかなくても安全で出来る範囲の小さな事からお願いしてみるのも良いかもしれません。
少し手伝ってもらった後に子ども達にお礼のことばを伝えると恥ずかしそうにしながら、笑顔を見せてくれています。大人でも「ありがとう」「助かったよ」と声を掛けられると、とても嬉しい気持ちになりますよね。子ども達にも同じ気持ちを感じて欲しいですね。大きくなって、この時期の事は覚えてないと思いますが、小さな1つ1つの出来事が子どもの心に積み重なり残っていくのではないでしょうか。
中川 智香子