私は昨年度の下半期をフリー職員として過ごし、現在のりす組があひる組のときに担任の先生に代わってクラスに入ることもありました。最初のうちはまだ慣れていないこともあって、声をかけてかかわろうとしている私に対して、子どもたちの反応がないことがありました。しかし、回数が増えるにつれて次第に子どもたちとかかわることが出来るようになりました。
ただ、活動の節目(トイレに行ったり、着替えをしたり)にはどうしても担任の先生でないとダメ!という子どもが数名いました。そんな子どもたちの中に、午睡の寝かし付けは担任の先生、特に女性の先生でないと頑として寝ないA君がいました。A君が担任以外の先生と寝ることが出来るきっかけを作りたいと思い、その日から彼との寝かし付けの日々が始まりました。 あひる組に入る時には必ず彼を寝かし付けるようにし、スキンシップをとるようにしました。最初のうちは近付くだけで泣かれ、布団をかけてあげるという行為すら彼を固まらせてしまい、担任の先生にフォローをしてもらうこともしばしばでした。
そんなある日のことです。遊んでいる最中にさりげなく「今日は一緒に寝ようね」と声をかけてみると、素直に「うん」と答えてくれました。そして寝かし付けの時間になり、まさか覚えていないと思いつつそばに寄ると、抵抗なく布団に横になって、そのままトントンをさせてくれました。そして、嫌がることなく眠ってくれました。
子どもたちが安心できる気持ちになると、子どもたちとのやり取りがスムーズになります。寝かし付けだけでなく、活動の節目なども上手に切り替えることが出来るようになります。今回、いつもよりも少しだけ安心できる気持ちが芽生えてくれたのかもしれません。
今年度のりす組は昨年度の持ち上がりの先生がいない状況です。子どもにとっては初めての保育士との関わりになるので、戸惑う子どももいます。子どもの不安な気持ちを少しでも受け入れながら、少しずつ信頼関係を築いていきます。その信頼から今度はそれを愛着関係に発展させることで、保育士が子どもたちにとっての安全基地になります。そのような関係を丁寧に作っていくことで、保育園での生活が安心して過ごせるようになってきます。
一人ひとりと大切にかかわりながら子どもたちが安心して過ごせるようにしていきたいと思います。今年度一年間、よろしくお願いします。
一柳 翔平