木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「安全基地建設中」(フリー編)

2014.04.27

 初めて、家族の人と離れて過ごす保育園の時間は不安でいっぱいです。特にひよこ、あひる組は不安を泣くことで、アピールしています。私は、フリーの立場でお手伝いに入っています。子どもたちは私が毎日お部屋にいないことや、担任じゃないこともわかっているようで、部屋から出してくれる人と感じて手を伸ばす子どももいます。
 先日、園庭であひる組の新入園児を抱っこしていました。泣き止んでいたので、しゃがみこんで抱っこしていた手をゆるめると、トコトコと歩き出し周りを見ながら散策を始めました。しかししばらくすると泣き出し、ふりむいて私をみつけると、泣きながら戻ってきました。何度か同じことを繰り返しているうちに少しづつ離れる距離が伸びていきました。
 子どもは不安になったり、怖くなったときに、保育士のところにもどり、怖かった気持ちを受け止めてもらたり、大丈夫と励ましてもらったりと、気持ちの制御、調整、回復しようとします。その日は、私がその子の安全基地になりました。その行動は、成長して幼児組になると、その基地から自分は愛してもらっている(信頼関係と自己信頼)・1人でいることができる(自律.感情の調整・自発行動)・自分や他者の気持ちの理解と思いやりを持つことができるように発達するそうです。
 そういえば、年長組の部屋にいた時、年長児に見られていることを感じたことがありました。それは『ん?なんだ?どしたぁ?』という時もあれば、暖かい気持ちの『ん?』とうなずく時もありました。子どもたちが『今からやるよ、そこで見ていて』、という気持ちだったのでしょうか。なにかあったら、先生は来てくれるんだ!という関係が出来ていたからこそだったのでしょう。保育士が子どもの安全基地になっていれば、くじけたり、悲しかったり、痛かったの気持ちを癒し回復して、そこからまた出発していくのでしょう。泣いている子は、安全基地を探しているのです。そのような時には、『歌が好きかな?』『手遊びは?』『こんなおもちゃは?』『すべりだいは?』『お外は?』等興味があるものに、子どもたちの手を伸ばせるように、保育士は基地建設中です。
 子どもたちがいろいろな刺激を受けることができるような活動を、用意してあげなくては…たくさんの経験ができ刺激のある園生活楽しむことができるように…。
 現場監督は、がんばっています??

木村 広美

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