お話が少しずつ上手になってきたあひる組。友達同士の関わりが増えてきて、遊びの中でも言葉が出てくるようになっています。そんなやり取りを見ていると成長を感じとてもうれしく思います。
そんなお話が上手になってきたあひる組に襲いかかってきているのが「イヤイヤ期」。何を聞いても「いや!」と返してくるこの時期は多くの大人を悩ませることでしょう。只今2歳のAくんにもこの時期の「イヤイヤ期」がやってきており、職員が「お片付け一緒にしようね」と言うと「いや!」。「トイレに行くよ~」と言っても「いや!!」と即答。最近では笑顔までおまけでついてきています。さらに、散歩中に疲れて歩きたくなくなると「いや~やめて~」や「いたい~」などドキドキしてしまう声をあげることも…。しかし、「ご飯たべる?」と聞くと「うん!!」と泣き止む素直な一面にこちらも笑顔になってしまっています。
この「イヤイヤ期」とは、一般的に「第一反抗期」とも呼ばれます。確かに大人から見ると、子どもたちの行動は反抗しているように見える事でしょう。しかし、子どもたちの行動には自我が芽生え自己主張を始めているとも言えるのではないでしょうか。この自己主張とは、心理学的に見て発達の段階において大切な時期であり、自我の形成に大きく影響を与えます。自我が芽生えるということは自分自身が自分と言うものを受け入れる心の作業のことです。人の話を聞く事、我慢をする事、優しい気持ちなどを学び、自分なりの自己主張の仕方を学んでいく、成長過程にとても重要な要素の入った時期なのです。
「イヤイヤ期」は子どもにおいてとても大切な時間です。何でも「いや!」の時期は長い人生においてわずかな時間です。その大切な時間を過ごすことで成長をし「いや!」と言いたい時に少しずつ我慢することが出来るようになっていくのです。保護者の方々は大変だとは思います。しかし将来、子どもに笑ってこの時期の出来事を話してあげられるよう見守っていきましょう。
蛭崎 晶弘