楽しかった冬休みが終わり、保育園に元気な子どもたちの声が戻ってきました!お休みの間に、ますます活発になりお喋りが上手になった、あひる組の子どもたち★大人の一週間なんて特に変わることはないけれど(…むしろ正月休みで退化したかもしれません((((;゚Д゚))))))))子どもの一週間でも変化する成長ってスゴイなあ羨ましいなあと改めて感じてしまう今日この頃です。
そんなあひる組の子ども達。昨年の生活発表会の後から、お隣の0歳児ひよこ組と一緒に過ごす時間を増やしてきました。今までも雨の日や毎週水曜日に活動を一緒にして過ごしてはいたのですが、12月から朝の会や食事、午睡などを徐々に一緒にしています。
そんな小さい子と一緒に過ごして、今まで出来たことが出来なくなっちゃうんじゃないの?と言う意見も聞こえてきそうですが、ご心配なく!!
あひる組のお友達は、
・ひよこ組のお友達を保育室まで迎えに行く。
・手を繋いでレストランに連れて来てあげる。
・エプロンを着けてあげ、手を拭いてあげる。
などなど、先輩として大活躍中なのです!しかも、お友達に自分の思いが通らないと怒ってしまうAくんも、ひよこ組の子には我慢…!小さい子と分かっているんですね。苦手な食べ物があるとイヤイヤ泣くBくんも、ひよこ組の前ではペロリ!小さい子に見られていると、頑張れちゃう様です。いつもクラスで当たり前にやっていることがスゴイ!と褒められたり、小さい子に羨望の眼差しで見られたりすることで、まだまだお家では赤ちゃんの1.2歳のあひる組の子ども達でも、自分が認められることが嬉しくて頑張れてしまう様子です。そんなあひる組先輩の様子を間近で見て、ひよこ組の子ども達も、トイレトレーニングや洋服の着脱に興味を更に深めた様子です。
先日私が受けた研修で、この異年齢保育の役割についての話を聞きました。年齢別保育では、4月生まれと3月生まれの子どもが1クラスです。子どもの理解力や身体的な発達の区別ではないので、どうしても落ちこぼれが出来てしまいます。例えば、あひる組だと1歳0ヶ月と、もうすぐ2歳になる子どもが一緒になるわけで、まだ伝い歩きをしている子と走り回る力を持っている子が同じクラスになるわけですから、年齢の小さいクラスほど、その月齢による発達差は大きいと考えられます。
それに対し、異年齢児保育の役割は大きく3つあります。
1つ目は、発達における影響です。年少児は年長児のやっている遊びから刺激を受け、「自分もやってみたい!」と意欲や興味を持ちます。反対に、年長児は小さい子のお手本になることで自信をつけることが出来ます。
2つ目は、社会の形成者としての資質を学べます。大人から赤ちゃんまで居る保育園は、人と関わる社会を学べる場所です。下に兄弟がいない子も、自分より小さい子どもと関わることで、お世話をしたり可愛がる体験から思いやりや援助、寛容さを育てることが出来ます。反対に上に兄弟がいない子も、経験豊富な子どもにお世話をしてもらったり、教えてもらえることで、経験不足な子どもが助けられ育っていきます。
3つ目は、年齢における刷り込みがなくなることで、一人ひとりの特性に応じることが出来ます。年齢別だと、この年齢だとこんなことが出来ていなければならない!と考えてしまいます。しかし運動が得意な子、勉強が得意な子、絵を描くのが得意な子…と、色々な子どもがいます。4歳の子が、私は運動は得意だから5歳と同じ跳び箱を跳びたい!でもハサミは苦手だから、3歳と同じ制作をしたいな!と子どもが考えて選ぶことが、異年齢保育では出来ます。こうした子どもの自発性を重んじることは、子どもの自己有力感につながります。自分の意志で生きることや選択する力は、将来の生きる力につながっていきます。
これらの異年齢保育の役割は、現在異年齢児保育を行っている幼児組の子どもだけに見られる育ちなのかと私は考えていました。しかし、まだまだ小さいあひる組の子どもたちにも、自分達より小さいひよこ組の子どもと過ごすことで、自分に自信を持ち、思いやりの気持ちが育くまれている様子が見られます。小さい乳児組の子ども達でも充分に異年齢保育による育ちが見られることが分かりました。現代の若者の中には、対人関係が苦手だったり、自己肯定感の低い人が増えていると言われています。子ども同士の関わりが煩わしく学童に行かない小学生も増えているそうです。しかし、こうして乳児のうちから異年齢児保育をする中で対人関係で必要な力や自己肯定感を伸ばしていくことが出来れば、この子達が大きくなる頃には、若者像が変わっていくのではないかと思いました。
まだまだ小さいあひる組の子ども達に芽生えた「生きる力」ですが、彼らが大人になった時に大樹のように逞しく成長してくれる様に、私も保育していきたいと思っています。 頑張れ!あひる組先輩??
中澤 明日香