日中は暖かい日差しが差し込み、春の訪れが待ち遠しい季節になりました。今回は『26年度あひる組ブログ』最後の章となりましたので、少しかしこまったお話を…(^-^)
まだまだ幼いと思っていたあひる組の子ども達ですが、部屋の移行をしてからというもの、急に表情がお兄さんお姉さんになり、身の回りの事に興味・関心・意欲を見せ始めています。
2歳のこの時期は、人間がその時期に必要な事を獲得するために、環境中のいろいろな事柄に対して特別に敏感な感受性が現れてくる時期です。『敏感期』と言われる時期なのですが、子ども達はこの敏感期に湧き出してくる強烈な生命力に押されて、燃えるような情熱を持って環境中のいろいろな事に関わっていきます。関わる要素や内容は、その子どもによってそれぞれ違い、環境の中から個々に選んでいくのだそうですが、それは、子どもが手を使って動作を繰り返していくうちに、いつのまにか関わっているその事柄との間に生命が通い始め、その一つ一つが成長の糧となるようです。友達と関わって共同作業をする姿も見られ始めますが、逆に個々に熱中する作業・動作・遊びが見つかり、一人で集中する姿も見られるようになります。
『最近〇〇をするのがブームのようで、いつもやっている』『道を歩いている時に、必ず塀を手でなぞって歩く』『危ないと注意しても、狭い場所で走りまわる』など、こんな姿を見かける事はありませんか?あひる組の子ども達も、最近散歩に出かけると、よく、一軒家の駐車スペースと道の間に、小さなスロープが置いてありますよね?必ず2~3人の子が、列を乱してまでも、そこに登ります。転んだりしては危ないと思い、『よそのお家だから、登るのやめようね!?』と言うのですが、だいたい毎回登る子は決まっています。ある子は、たくさんあるパズルの中から、いつも熱中するパズルは一つと決まっています。ただお気に入りというだけではなさそうです。
このように、子どもが繰り返している事は、外からは同じことをやっているように見えますが、その一回一回は決して同じものではなく、一回毎に、子どもの内面では何かが熟し、変わっていっているという事のようです。その繰り返しを通して、ある一定のレベルに達すると、子どもはその繰り返しをやめます。それをやめるという事は、何らかの成就を体で感じ、心底から満足したという事であり、このような事があった後は、心がオープンハートになり、皆に対して優しくなれたり、喜んで相手を助けたり、また、良い子でありたいという願いで一杯になったりと、一つ、成長出来るのだそうです。その繰り返しから、子ども達は、周りとの調和をうまくとれる感情のコントロールを調整していっているのです。そう考えると、良い事も悪い事(危険に繋がる事は別として)も、子ども達にとって、その行動はその子が生きる為に必要な要素なんだという事に気付かされます。そんな敏感期の中にある子ども達の感受性を、小さな事で良いので見つけ出し、より一増、集団の中での個々のカラーを引き出していきながら、自然と周りへの優しい気持ちや、協調性が芽生えていけるよう、見守っていく事も必要なんですね!?
もうすぐりす組です。子ども達の体も心も、たくさんの経験を通して、自分で自分の生命力を見つけ出し、成長していく姿を、楽しみにしたいと思います。
中谷 美帆